著者
堀 光代 阿久澤 さゆり 下山田 真 吉田 一昭 長野 宏子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2005

【目的】国内産・県内産小麦の生産量が年々増加している現状である。各地で生産から消費までの取り組みについて行われているが、今回は、製粉工程が異なる岐阜県内産小麦について製パン性を比較検討することを目的とした。【方法】2003年に岐阜県で生産された小麦「中国152号」と「タマイズミ(関東123号)」の2種類について製粉工程の違いから(細)と(粗)に分類した計4種類と、対照として外国産小麦1CW(カナダ産)を用いた。パンの材料配合は、小麦粉に対し、砂糖(6.8%)食塩(2.0%)酵母(1.12%)水(68.0%)とした。小麦粉は粒度分布と色差を測定し、ドウはファーモグラフによるガス発生量の測定を行った。ホームベーカリーにてパンを焼成後、質量・体積・色差等の測定とあわせてパンの品質評価と官能検査を行った。【結果】(1)小麦粉の粒度分布は(細)と(粗)では差が認められ、色差も感知できる程度の差が見られた。(2)ガス発生量は、県内産小麦粉は対照である1CWと異なった結果を示し、ガス保持力等に差が見られた。(3)パンの比容積は1CWが高く、県内産小麦粉両品種の(細)と(粗)ではいずれも(粗)ほうが低い比容積であった。色差の測定結果は、小麦粉の測定値より製パン時の色差に顕著な差が見られた。パンの品質評価では、(粗)が(細)より低い評価であった。両品種の(細)における比較は、品質評価では外観は1CWに劣る評価であったが、味・香りは1CWに近い評価であり、官能検査の結果もほぼ一致していた。

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