著者
武井 玲子 芦澤 昌子 伊藤 陽子 蒲池 香津代 斎藤 祥子 田岡 洋子 橘 喬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.47, 2008

<B>【目的】</B>公共トイレに対する意識と行動実態に関するアンケート調査結果及び全国各地の公共トイレ写真を分析・評価し、一般用公共トイレに対するユニバーサルデザイン(UD)要件を抽出し、今後の検討に資する。<BR><B>【方法】</B>アンケート調査時期・手法は第3報と同様である。クラスター分析、主成分分析等による解析結果や公共トイレに対する要望(自由記述)及び全国各地165箇所の公共トイレを視認性、使用性の視点から撮影した写真とともに分析、評価を行った。<BR><B>【結果】</B>従来4Kと言われていた公共トイレは、快適性、衛生・安全面等全体的にレベルアップされてきていることが今回の調査で示唆された。但し、UD視点の評価からみると、公園と新しい多目的ビル等公共トイレの設置場所や設置時期(新旧)の違いによるUDレベルには大きな差が認められた。(1)トイレ表示やピクトグラムは、形、色、サイズなど種々様々であったが、視認性、可読性、誘目性等の視点から改善の余地があるトイレも認められた。(2)「トイレに入るまで」~「トイレ内」の環境・設備についてみると、階段や段差の存在、荷物置場・フック不足、設備の使用方法のわかりにくさ、等の問題点や課題が抽出された。(3)トイレ個室様式は、衛生的、慣れ等の理由で「洋式」53.6%、「和式」18.1%、「どちらともいえない」28.3%の割合で選択されていたが、入口ドアへの様式表示の要望が多く認められた。(4)トイレの使用目的は排泄以外に「手洗い」59.8%、「化粧」25.0%、「着替え・着装チェック」22.0%、その他歯磨きや乳幼児の世話等多様であり、排泄だけを目的とした空間から脱却し、化粧ブース、休憩ブースなどを併設することが示唆された。(5)UD視点においてレベルの高い多機能・多目的トイレに、一般用公共トイレのレベルがより近づくことが今後の課題と考える。

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