著者
岡田 康志 高井 啓 島 知弘 池田 一穂 伊藤 陽子
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

細胞内物質輸送のナビゲーション機構はこれまでほとんど判っていなかった。我々は、微小管がGTP結合状態とGDP結合状態で異なる構造をとることを示し、神経細胞軸索起始部に局在するGTP結合型微小管が軸索輸送のナビゲーションを行うという新しい概念を提唱している。本研究は、これを発展させ、以下の3つの課題を通じて細胞内物質輸送のナビゲーション機構の基本原理を解明した。①分子モーターの運動性に対する微小管の構造状態の影響の解析と、その分子機構の解明、②微小管の構造状態が細胞内の位置特異的に制御される機構の解析、③非神経細胞における分子モーターのナビゲーション機構の解析
著者
クラーク ジェイムズ・エイチ ネイラー ジャネット・エム バンクス ジョン・エヌ スキュウーダモア キース・エイ 伊藤 陽子 向井 俊博 堀江 秀樹 後藤 哲久
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.79, pp.31-36, 1994
被引用文献数
1

10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×10<sup>2</sup>cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×10<sup>3</sup>cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydowiiであった。今回分離された菌のうち,A. sydowiiはいずれもステリグマトシスチンを産生しなかった。また,A. versicolorのうちの一株は,穀類の培地上にステリグマトシスチンを産生したが,緑茶や緑茶に10%穀類を添加した培地では,ステリグマトシスチンの産生はみられなかった。
著者
伊藤 陽子 鶴見 裕子 木村 寿宏 竹下 康代 常田 康夫 戸谷 義幸 梅村 敏
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.446-451, 2007-05-25 (Released:2010-05-18)
参考文献数
13

テオフィリン投与に関連したと考えられる高Ca血症の症例を経験したため報告する。症例は51歳女性, 気管支喘息のためテオフィリンを約5年間内服していた。2003年3月血清Ca濃度15.2mg/dLと著明な高Ca血症と腎機能障害のため当科を紹介受診した。過去の検査結果より, 2001年より高Ca血症が認められていた。高Ca血症の原因について精査を行ったが, 初診時には内分泌検査などの異常所見は認められなかった。そのため, 薬剤性の高Ca血症を疑った。内服中であったテオフィリンを中止したところ血清Ca濃度は低下し, 3カ月後には完全に正常値となった。過去に有効血中濃度を超えたテオフィリン投与によって高Ca血症が誘発されたという報告を認めたが, 有効血中濃度範囲内での高Ca血症の報告は認められない。本症例のテオフィリン濃度は有効血中濃度以下で保たれていた。また, 初診時では正常値であったがその後の測定で甲状腺機能亢進症が認められ, 精査の結果橋本病の合併が考えられた。甲状腺機能亢進症もしばしば高Ca血症の原因となりうる。初診時には甲状腺機能は正常であったことより, 甲状腺機能亢進症のみが高Ca血症の原因となった可能性は否定的であるが, テオフィリン, 甲状腺機能亢進症に伴う高Ca血症は, ともにアドレナリン受容体を介し高Ca血症を誘発すると考えられており, 両者の合併による増強作用が考えられた。また, これに加え本症例では高Ca血症にもかかわらず尿中Ca排泄量の増加を認めなかった。非顕性であった低Ca尿症がテオフィリン投与, 橋本病合併によってPTH作用が増強し, 高Ca血症を引き起こしたと考えられた。これらの病態が合併することにより, テオフィリンが有効血中濃度以下でも高Ca血症が誘発された可能性が疑われ, 非常に稀な症例と考えられた。
著者
小川 彰 伊藤 陽子 森原 寛子 金棒 優美 黒川 賢三 國廣 和恵 橋本 展幸 小泉 幸毅 宮岡 秀子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.E0981-E0981, 2004

【目的】回復期病棟に入院する患者は発症から間もない方が多い。そのため身体機能面の問題に加え、心理的問題も抱えていると推測される。そこで今回、回復期病棟における入院患者の心理状況を把握する目的で調査・分析した。<BR>【対象】H15年11月19日時点の当院回復期病棟入院患者40名(当該病棟料非算定者、失語症により有効回答不能、HDS-R20点以下、アンケート実施による心理面への影響が予測される者は除外)を対象者とした。40名(男21名、女19名)の平均年齢は64.9歳、主疾患は脳血管疾患29名、整形疾患9名、その他2名であり、発症から調査日までの期間は平均97.2日、Barthel Index(以下B.I)は平均81.1点、日常生活自立度はJランク10名、A19名、B11名であった。<BR>【方法】1.精神心理面を把握する指標として、意欲低下の程度はSDS(自己評価式抑うつ尺度)、生活の質はQUIK(自己記入式QOL質問表)でアンケート調査した。SDSは20の質問(満点80点)からなり、点数が高い程うつ状態は重い。QUIKは50項目(満点50点)からなり、点数が高い程生活の質が低く、その程度は「きわめて良好」から「きわめて不良」までの6段階に分類され、更に身体関係、情緒適応、対人関係、生活目標の4尺度に分類されている。なお、身体関係尺度のみ20点満点のため10点満点に換算した。2.SDSを基にうつの有無で年齢、発症からの期間、疾患、麻痺別、B.I、日常生活自立度等からなる基本情報とQUIKを比較、分析した。3.うつの程度を正常、軽度うつ、中程度うつの3段階で比較、分析した。【結果】1.SDS平均42.9点、正常13名(32.5%)、軽度うつ16名(40%)、中程度うつ11名(27.5%)であった。QUIK平均17.1点、6段階のうちきわめて良好0名、良好2名(5%)、普通8名(20%)、いくぶん不良11名(27.5%)、不良16名(40%)、きわめて不良3名(7.5%)であった。項目別の平均は身体関係尺度3.4点、情緒適応尺度3.5点、対人関係尺度2.7点、生活目標尺度4.1点であった。2.SDSを基にうつの有無で比較すると平均年齢は無68.8歳・有63歳、発症からの期間は無89.7日・有100.8日、QUIKは無10.4点・有20.3点であった。片麻痺ではうつ無9名中右片麻痺4名(44.4%)、うつ有22名中右片麻痺14名(63.6%)であった。3.うつの程度で比較するとB.Iは正常85.4点、軽度うつ84.4点、中程度うつ71.4点。QUIKは正常10.4点、軽度うつ16.8点、中程度うつ25.5点であった。<BR>【考察】40名の7割弱がうつ状態にあり、また7割強が生活の質を不良と感じていることが確認された。QUIKの4尺度では大差無く、多種多様の悩みを抱えていることが分かった。うつ状態は年齢が比較的若く、発症から3ヶ月以上、右片麻痺の者、また能力が低い者ほどうつの程度が重く、生活の質も低い傾向にあった。またうつ状態でない者でも、生活の質は低い傾向にあった。以上より回復期病棟では、身体機能面への治療のみならず、誰もが心理的不安を抱えているという視点での関わりが必要である。
著者
武井 玲子 芦澤 昌子 伊藤 陽子 蒲池 香津代 斎藤 祥子 田岡 洋子 橘 喬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.47, 2008

<B>【目的】</B>公共トイレに対する意識と行動実態に関するアンケート調査結果及び全国各地の公共トイレ写真を分析・評価し、一般用公共トイレに対するユニバーサルデザイン(UD)要件を抽出し、今後の検討に資する。<BR><B>【方法】</B>アンケート調査時期・手法は第3報と同様である。クラスター分析、主成分分析等による解析結果や公共トイレに対する要望(自由記述)及び全国各地165箇所の公共トイレを視認性、使用性の視点から撮影した写真とともに分析、評価を行った。<BR><B>【結果】</B>従来4Kと言われていた公共トイレは、快適性、衛生・安全面等全体的にレベルアップされてきていることが今回の調査で示唆された。但し、UD視点の評価からみると、公園と新しい多目的ビル等公共トイレの設置場所や設置時期(新旧)の違いによるUDレベルには大きな差が認められた。(1)トイレ表示やピクトグラムは、形、色、サイズなど種々様々であったが、視認性、可読性、誘目性等の視点から改善の余地があるトイレも認められた。(2)「トイレに入るまで」~「トイレ内」の環境・設備についてみると、階段や段差の存在、荷物置場・フック不足、設備の使用方法のわかりにくさ、等の問題点や課題が抽出された。(3)トイレ個室様式は、衛生的、慣れ等の理由で「洋式」53.6%、「和式」18.1%、「どちらともいえない」28.3%の割合で選択されていたが、入口ドアへの様式表示の要望が多く認められた。(4)トイレの使用目的は排泄以外に「手洗い」59.8%、「化粧」25.0%、「着替え・着装チェック」22.0%、その他歯磨きや乳幼児の世話等多様であり、排泄だけを目的とした空間から脱却し、化粧ブース、休憩ブースなどを併設することが示唆された。(5)UD視点においてレベルの高い多機能・多目的トイレに、一般用公共トイレのレベルがより近づくことが今後の課題と考える。
著者
伊藤 陽子
出版者
岐阜市立女子短期大学
雑誌
岐阜市立女子短期大学研究紀要 (ISSN:09163174)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.115-120, 2008

In this paper, the author reports on how she planned, administrated, and carried out a fashion show which was a part of a department course. In relation to this topic, the following areas are discussed: what shape the course took, how the fashion show was put into practice, the significance of its implementation, and improvements to made in the future. In addition to the author's own reflection on these areas, student opinions are also included.
著者
伊藤 陽子
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

これまでTALENをはじめ人工ヌクレアーゼの活性評価としては、培養細胞や受精卵を用いたin vivoアッセイが広く用いられてきた。しかし、in vivoアッセイのみではTALENタンパク質の性質を十分理解するのは困難である。そこでまず、活性のある組換えTALEN・TALEタンパク質を調整し、in vitroでのTALEN活性評価系を確立し、super-active TALENはDNA結合活性が高いことを明らかにした。更に、構造生物学的実験も行い、TALEタンパク質の高活性化機構を詳細に調べた。この様なin vitroでの活性評価は、更なる人工ヌクレアーゼ応用研究に貢献できると思われる。
著者
伊藤 陽子 成澤 信吉
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.80, pp.9-12, 1994-12-28 (Released:2009-07-31)
参考文献数
7

チャもち病菌(Exobasidium vexans)の自然状態での侵入,感染は,若い葉の裏面に付着した担子胞子が発芽して,主に細胞縫合部で付着器と侵入菌糸を形成して行われた。付着器からの侵入菌糸の形成は,低率であった。