著者
蒲池 香津代 杉田 洋子 渡辺 澄子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.193, 2004

目的 東京都内に通学する男子高校生の被服行動が、ライフスタイルや勉学、アルバイト、友人関係などとどのような関連性があるかを明らかにする。方法 東京都内男女高校生1093名のうち、男子高校生251名について一般的ライフスタイル項目26項目の5段階評定尺度値を因子分析した。得られた因子得点をもとにクラスター分析し、男子高校生を6グループに類型化した。次に各グループの特徴を把握したうえで、彼らの衣生活スタイル上の意識や行動との関わりをクロス集計で検討した。結果 ライフスタイル項目を因子分析した結果、「独自・新規性」、「友人関係」、「安易・快楽性」、「風潮同調性」、「男女平等意識」、「マニアック性」、「健全志向」の7因子が抽出された。因子得点をもとにしたタイプ分けでは、1「友人重視・流行追随・低モラルタイプ」(10.7%)、2「男女平等・堅実タイプ」(15.9%)、3「楽して一流願望タイプ」(22.7%)、4「人間関係協調タイプ」(34.3%)、5「ゴーイングマイウェイタイプ」(9.0%)、6「出世願望リーダー志向タイプ」(7.3%)の6つに分類された。被服行動との関連性をみると、ファションに興味や自信を持っている1のタイプは、友人関係には満足だが、校則を厳しいと感じ、勉強は卒業するため、小遣いの額には不満、アルバイトをしている。ファション行動が控えめな2のタイプは、モラルに厳しく、小遣いの額もまあ満足している。ファッションに興味関心が無い5のタイプは、学校生活や友人関係に不満を持ち、校則をゆるいとし、アルバイトの経験は少ない。ファッションへの関心はややあり、髪を染めたことも多い6のタイプは、勉学の目的は知識を増やすためとし、アルバイト経験も多かった。
著者
高橋 美登梨 蒲池 香津代 赤根 由利子 高岡 朋子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.66, 2011 (Released:2011-09-03)

目的 近年,最近の若い男性を表す言葉として「草食系」がメディアに取り上げられるようになった。当初は主に恋愛に奥手な男性を指す言葉であったが,最近では日常生活全般に対して淡白な様を示すこともあり,多様な使われ方をしている。いずれにしても,以前に比べて,男性の生活全般に対する価値観の変化が一因と考えられる。そして,このような価値観の変化は,被服行動にも影響を与えると推察される。そこで,本報告では,生活意識と被服行動の関連性を検討した。方法 調査は,男子大学生285名を対象として,2010年10月~11月に集合調査法により実施した。調査内容は(1)被服行動(32項目,5段階評価)(2)生活意識(恋愛観,結婚観,貯蓄・消費態度,生活習慣に関する19項目,5段階評価)である。調査データは,因子分析,クラスター分析等の統計処理により解析した。結果 (1)被服行動の項目を因子分析した結果,「流行おしゃれ」,「女性化おしゃれ」,「規範的おしゃれ」,「機能性重視」,「他者重視」の5因子が抽出された。(2)生活意識をクラスター分析した結果,被験者は「堅実型肉食系」,「浪費型肉食系」,「草食系」,「無頓着系」に4分類された。(3)4分類された生活意識と被服行動との関連をみるために,被服行動各因子の尺度得点の高得点者を生活意識4クラスター群で分類し,尺度得点の平均値を一元配置の分散分析・多重比較で解析した。その結果、「草食系」には「女性化おしゃれ」、「堅実型肉食系」には「規範的おしゃれ」の特徴が見られた。草食系の男子学生は女性用の小物やフレグランスをつけるなどの女性的なおしゃれをすることが示唆された。
著者
武井 玲子 芦澤 昌子 伊藤 陽子 蒲池 香津代 斎藤 祥子 田岡 洋子 橘 喬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.47, 2008

<B>【目的】</B>公共トイレに対する意識と行動実態に関するアンケート調査結果及び全国各地の公共トイレ写真を分析・評価し、一般用公共トイレに対するユニバーサルデザイン(UD)要件を抽出し、今後の検討に資する。<BR><B>【方法】</B>アンケート調査時期・手法は第3報と同様である。クラスター分析、主成分分析等による解析結果や公共トイレに対する要望(自由記述)及び全国各地165箇所の公共トイレを視認性、使用性の視点から撮影した写真とともに分析、評価を行った。<BR><B>【結果】</B>従来4Kと言われていた公共トイレは、快適性、衛生・安全面等全体的にレベルアップされてきていることが今回の調査で示唆された。但し、UD視点の評価からみると、公園と新しい多目的ビル等公共トイレの設置場所や設置時期(新旧)の違いによるUDレベルには大きな差が認められた。(1)トイレ表示やピクトグラムは、形、色、サイズなど種々様々であったが、視認性、可読性、誘目性等の視点から改善の余地があるトイレも認められた。(2)「トイレに入るまで」~「トイレ内」の環境・設備についてみると、階段や段差の存在、荷物置場・フック不足、設備の使用方法のわかりにくさ、等の問題点や課題が抽出された。(3)トイレ個室様式は、衛生的、慣れ等の理由で「洋式」53.6%、「和式」18.1%、「どちらともいえない」28.3%の割合で選択されていたが、入口ドアへの様式表示の要望が多く認められた。(4)トイレの使用目的は排泄以外に「手洗い」59.8%、「化粧」25.0%、「着替え・着装チェック」22.0%、その他歯磨きや乳幼児の世話等多様であり、排泄だけを目的とした空間から脱却し、化粧ブース、休憩ブースなどを併設することが示唆された。(5)UD視点においてレベルの高い多機能・多目的トイレに、一般用公共トイレのレベルがより近づくことが今後の課題と考える。