著者
大迫 早苗 永島 伸浩
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.84, 2006

【目的】新食料資源として注目されているキヌアは、アカザ科に属する1年草の植物でたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などに富み、アレルギーを起こしにくい食品の1つとして知られている。最近 クッキー、ケーキ、シリアル、醤油など加工食品として利用されているが、まだまだ利用率は低い。そこで前報では、キヌアの調理への利用として餅にキヌア粒および粉末を添加することに試みた。さらに利用を拡大するためにキヌアの配合割合を変えて各々の違いがパンの性状および食味特性におよぼす影響について検討した。<br>【方法】材料として強力粉、キヌア粒・粉末を用い、ナショナルホームべーカーリーSD-BT102の基本配合割合でパンを調製した。キヌアの添加量は強力粉の10、20および30%とした。生地比重、焼成後のパンの高さ、比容積、断面組織の観察、表面と断面の色(日本電色工業ZE2000)、水分含量を測定し、テクスチャーは(山電製RE-33005)硬さ、凝集性について測定した。また焼成後のパンの経時変化による硬化度についても調べた。官能評価は外観、色、味、風味、きめ、硬さ、弾力などについて行った。<br>【結果】生地の比重はキヌアの添加量が増加するとともに大きくなり、比容積は20%を過ぎると小さくなった。硬さはキヌアの添加量の増加とともに硬くなった。断面組織の観察ではキヌア添加のものにきめの粗さが認められた。表面の色は添加量とともに濃くなる傾向が見られた。官能評価では、キヌア無添加と10%添加のものは香りもよくきめが細かく、弾力性があったことより好まれた。20%添加からはキヌア特有のにおいが強くなった。また 粉末添加より粒添加のキヌアパンのほうか評価が良かった。

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