著者
川村 昭子 請田 芳恵 粟津原 理恵 新澤 祥恵 中村 喜代美 嶋田 靖子 張江 和子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.133, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 2003~4年にかけて、石川県を金沢を中心に南部の加賀、北部の能登の三地域に区分して、調査を行った特別研究「調理文化の地域性と調理科学-魚介類の調理-」より、各地域の調理文化と魚介類の調理の地域性については既に報告した。今回は、三地域において出現している魚介類がどのような行事に食されているかの比較検討を行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 三地域において、自記式留置法により調査し集計した143世帯(能登:78 金沢:42 加賀:23)の結果から、今回は行事に用いられる魚介類をとりあげ検討した。<BR><B>【結果】</B><BR> 三地域で出現率の高かった行事は、正月、春・夏・秋の祭り、祝い事、ひな祭り、土用丑の日、誕生日などであり、三地域間では、能登は金沢・加賀に比べ行事は少なかった。しかし、能登では、他の二地域ではみられない「あえのこと(田の神)」という行事が出現していた。行事で食されている魚介類の料理については、金沢では、正月にはタラやサワラ(カジキマグロ)の昆布じめ(刺身)、甘露煮、棒ダラの煮物、かぶらずしなど、祭りや祝い事にはタイの唐蒸し、タイの塩焼き、鉄砲イカなどがあった。加賀では、祭りにシイラやサバを使った柿の葉ずし、押しずしなどであり、能登では、正月や祭りにはイモダコ、なます、麹漬け、昆布巻き(身欠きニシン)などであった。また、能登の「あえのこと」では、メバルの塩焼きをお供えし、家族も同様の料理を食する。今回の調査で出現している魚介類のほとんどは日常で食され、行事又は日常と行事の両方で食するとした割合は少なかった。また、行事に食するとしても行事名が記載されていない魚介類も多くみられた。しかし、三地域間には、魚介類の調理と行事におけるそれぞれの特徴がみられた。

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