- 著者
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尾崎 彩子
鎌田 早紀子
冨田 圭子
大谷 貴美子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.16, pp.69, 2004
[目的] 近年、学童期における食の乱れが様々に報告されているが、それらの要因の1つとして食べたいものがいつでも容易に入手できる生活環境の変化があげられる。望ましい食生活を送るためには、自ら正しい食物の選択ができる基礎的な知識と能力を養うことが不可欠である。しかし、家庭における食教育力が低下していることも事実である。そこで、我々は小学校でまだ家庭科の授業をうけていない4年生の児童を対象に、「体によいと思う夕食」を絵にしてもらい、また併せてアンケート調査を行うことで、子供たちの食に対する知識等の現状について考察した。<br>[方法] 京都市内の小学校(学校栄養士不在)4年生の児童77名を対象に、2003年7月に調査を行った。画用紙、色鉛筆、アンケート用紙を全員に配布し、画用紙には子供たちが考える「体に良いと思う夕食の絵」及びその料理の名前を描いてもらった。その後、毎日の食事に対する意識、食に関する知識、嫌いな食べ物についてのアンケートを行った。統計処理にはExcel統計を用いた。<br>[結果及び考察] 約30%の児童が、ご飯・味噌汁・焼き魚・サラダのみで構成された食事を描きパターン化されていた。一方、黒米や納豆、豆腐など健康によいとされる食品が多く登場し、知識としてはかなり豊富であることが示された。しかし、1割の児童の描く焼き魚は頭が右向きであり、家庭で基本的な食教育を受けていないことがうかがわれた。また、「食べ物の3つの働き」をよく知っていると答えた児童の方が、また、「家族そろって食べることが楽しい」と感じている児童の方が、そうでないと答えた児童より多くの品数を描く傾向にあった。別の我々が調べた「子ども達が食べたい食事」にはこういった日本型の食事は描かれていない。つまり、食育の重要な課題は、「体に良いと思う食事」を「食べたい食事」に変化させることにあると考えられた。