著者
岩崎 俊樹 中野 尚 杉 正人
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.555-570, 1987
被引用文献数
39

本論文では新しく開発中の台風進路予報モデルの概要とその予報性能について述べる。この実験モデルは北半球モデルに1-way で接続された局地モデルである。間隔50kmの一様な水平格子と8層の鉛直格子によって構成され,その予報領域は4000km&times;4000kmである。積雲対流スキームには Kuo 方式を採用している。各計算スキームは台風が良く維持されるように調整されている。初期場には適切なモデル台風が客観解析に重ね合わされている。<br>このモデルは1985年に観測された台風の中心示度や移動を精度よく予報した。また,衛星による雲画像と比較すると,台風と梅雨前線の間に強い相互作用があるケースでも,複雑な降水分布の振舞を良く予報できた。<br>インパクトテストによれば,主観解析の精度や北半球モデルの性能は実験モデルの予報精度に大きな影響を及ぼすので,それらにも十分配慮する必要があることが示唆された。

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