著者
大泉 尚美 末永 直樹 吉岡 千佳 山根 慎太郎 呉屋 五十八
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.619-625, 2019

近年,ノンセメントステムを用いた人工肩関節置換術ではin-growthステムやショートステムによるradiolucent line (RLL)や骨吸収の減少が期待されている.本研究では,2005-2017年に人工肩関節置換術を施行した105肩を使用機種(スタンダードon-growthステム,スタンダードin-growthステム,ショートin-growthステム)と術式(人工骨頭置換術(HHR),解剖学的全人工肩関節置換術,リバース型全人工肩関節置換術(RSA))別に7群に分類し,術後1年の単純X線にてRLL,ステム先端の骨硬化,spot welds,ステム周囲の骨吸収(Inoue分類Grade 4)を調査した.HHRでは,ショートステムで有意にspot welds出現率が高かった.RSAでは,ショートステムで有意にRLL出現率が低く,spot welds出現率が高かった.骨吸収の出現率は,いずれの術式でも各群間に有意差はなかった.ショートステムでは早期にステム近位の骨のingrowthが得られていた.骨吸収はingrowthステム,ショートステムいずれでも減少は見られず,stress shielding以外の要因が関与している可能性も考えられた.

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人工肩関節置換術後1年のノンセメントステムのX線所見:-スタンダードステム vs ショートステム- : https://t.co/wSCjmw8b0D

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