著者
真栄田 裕行 杉田 早知子 山城 拓也 崎浜 教之 鈴木 幹男
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.53-58, 2019

副咽頭間隙原発の腺様囊胞癌の報告は少なく,本邦の過去の報告は 8例のみであった。今回われわれは副咽頭間隙発生の早期腺様囊胞癌を経験した。患者は63歳の女性。左副咽頭間隙に発生した腫瘤は画像所見からは多形腺腫も考慮されたが,形状や耳下腺との非連続性から神経鞘腫と診断した。経頸部アプローチにより腫瘤が摘出され,術後に腺様囊胞癌と判明した。副咽頭間隙に腺様囊胞癌が生ずる認識があれば,術前に細胞診やFDG-PET検査を施行して正確な診断がついた可能性もある。また治療に関しても腫瘍を明視下に置いた種々の術式により,完全切除も可能であったと思われた。再発時には拡大切除および術後照射が現実的な治療方針ではないかと考える。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

術前診断が困難であった副咽頭間隙腺様囊胞癌の一例 : https://t.co/H2GPIbT9jC

収集済み URL リスト