著者
趙 成河 河内山 冴 園山 繁樹
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.183-192, 2019

<p>本研究では、場面緘黙を示す幼児1名を対象とし、大学教育相談室での行動的介入の最初の導入期2セッションを含め、その後の心理治療の展開初期までの計10セッションの教育相談場面での手続きを報告し、その結果から刺激フェイディング法及び随伴性マネジメントの効果を検証することを目的とした。介入手続きは、プレイルームで一緒に活動する人と活動時間を刺激フェイディング法に基づいて調整した。従属変数は場面ごとの発話・表情・身体動作レベルであり、5段階のチェックリストを用いてレベルを評定した。発話は副セラピストとの遊び場面で増加し始め、その後、主セラピストとの学校ごっこ場面でも自発的な発話が見られた。表情も発話の変化に伴い、ほほ笑みや笑顔が増加した。身体動作は全セッションで緊張は見られなかった。本研究は主に教育相談場面で介入を実施したが、幼稚園と小学校場面でも緘黙症状がある程度改善した。一方、発話と表情レベルは活動内容によって変動が大きく、より効果的な参加者・活動の調整については今後さらに検討する必要がある。</p>

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【場面緘黙を示す幼児に対するクリニック型行動的介入の初期段階における刺激フェイディング法及び随伴性マネジメントの適用、趙ら2019】教育相談場面での介入により幼稚園や小学校場面でも緘黙症状が改善。母子分離不安が強い場合は初回で母子のみの遊び時間の設定が有効。https://t.co/PZLYnq0Ntr

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