著者
善教 将大
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.2_163-2_184, 2016

<p>本稿の目的は, 政党支持の規定性, 具体的には長期的党派性の投票行動に対する影響を検証することである。政党支持の規定性は, これまで多くの研究者が議論してきた安定性とは対照的に, ほとんどその妥当性に関する検証作業が行われていない。本稿では実験的手法を用いて, 行動意欲とは異なる長期的党派性は, 政党ラベルや候補者要因が投票行動に与える効果をどの程度条件付けるのかを分析することで, 政党支持の規定性の検証を試みる。大阪市および近畿圏在住の有権者を対象とするサーベイ実験の結果, 長期的党派性は政党ラベルの因果効果を常に高めるわけではないことが明らかとなった。この知見は, 政党支持は規定的であるという通説的見解に疑義を投げかけるものであると同時に, 有権者における政党支持の 「揺らぎ」 を示唆するものでもある。</p>

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@YusakuHoriuchi @yshiraito だいぶ前にやったサーベイ実験の結果を参考程度に貼っておきます。維新支持者のラベルに対する反応は強いが、自民支持者の自民ラベルに対する反応が相対的に弱いことを実証しています(本にも一部載せてますが)。 https://t.co/DkW0nBJnZa

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