著者
今泉 光雅 松井 隆道 大槻 好史 菊地 大介 佐久間 潤 室野 重之
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.245-251, 2019

<p>聴性脳幹インプラント(auditory brainstem implant: ABI)は,蝸牛神経に障害を受けた際に,中枢側である脳幹の蝸牛神経核に電気刺激を加え,聴覚を獲得させることを目的とする人工聴覚器である.今回我々は,両側の聴神経腫瘍術後,高度難聴に至りABI埋め込み術を施行した症例を経験し,術後1年間の経過観察する機会を得たので報告する.症例は44歳,女性.両側の聴神経腫瘍術後,高度難聴に至ったためABI手術を脳神経外科と共同で行った.ABI術後1年を経過し語音明瞭度検査は,術前が単語0%,文章0%,読唇併用の際は単語32%,文章46%であったものが,単語4%,文章0%,読唇併用の際は,単語68%,文章43%と改善を認めた.ABI単独での会話は困難な状態であるものの環境音の聴取は可能となった.両側聴神経腫瘍術後症例に対するABI埋め込み術は,聴覚獲得の一手段になり得ると考えられた.</p>

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まとめより引用 "術後1年を経過した現在まで装用閾値の大きな変動なく,ABI単独での語音聴取困難なものの,読唇併用にて患者満足度が得られている." CiNii 論文 - 聴性脳幹インプラント埋め込み術:術後1年の経過について https://t.co/jOn3iZY6he #CiNii

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