- 著者
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片桐 利真
横田 恭子
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.1, pp.49-52, 2021
<p>東京都の2020 年夏のCOVID-19 の感染拡大・収束傾向と日照時間および日平均湿度との相関を調べた.東京都の発表した新たな感染者の14 日間の移動平均(An:n は日数)を基に,感染拡大・収束傾向の指標(Bn)をBn =(An-2 -An)/ An と定義した.この指標Bn は,日照時間の14 日間の移動平均(Cn)および1 日の平均湿度の14 日間の移動平均(Dn)とよく相関していた.相関係数はそれぞれ-0.74 と 0.75 であった.この結果は,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の最外殻エンベロープの化学構造やその感染メカニズムと矛盾しない.新型コロナウイルスを含む飛沫あるいは付着飛沫を乾燥させることによりウイルスの感染能力を消滅させ,飛沫感染や接触感染を防ぐためには,公共性の高い屋内あるいは人の多い屋内空間においては,加湿よりも換気を行ない,空間を乾燥した状態に保つべきである.</p>