著者
片桐 利真 横田 恭子
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.49-52, 2021-02-15 (Released:2021-02-16)
参考文献数
16

東京都の2020 年夏のCOVID-19 の感染拡大・収束傾向と日照時間および日平均湿度との相関を調べた.東京都の発表した新たな感染者の14 日間の移動平均(An:n は日数)を基に,感染拡大・収束傾向の指標(Bn)をBn =(An-2 -An)/ An と定義した.この指標Bn は,日照時間の14 日間の移動平均(Cn)および1 日の平均湿度の14 日間の移動平均(Dn)とよく相関していた.相関係数はそれぞれ-0.74 と 0.75 であった.この結果は,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の最外殻エンベロープの化学構造やその感染メカニズムと矛盾しない.新型コロナウイルスを含む飛沫あるいは付着飛沫を乾燥させることによりウイルスの感染能力を消滅させ,飛沫感染や接触感染を防ぐためには,公共性の高い屋内あるいは人の多い屋内空間においては,加湿よりも換気を行ない,空間を乾燥した状態に保つべきである.
著者
片桐 利真 横田 恭子
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.49-52, 2021

<p>東京都の2020 年夏のCOVID-19 の感染拡大・収束傾向と日照時間および日平均湿度との相関を調べた.東京都の発表した新たな感染者の14 日間の移動平均(An:n は日数)を基に,感染拡大・収束傾向の指標(Bn)をBn =(An-2 -An)/ An と定義した.この指標Bn は,日照時間の14 日間の移動平均(Cn)および1 日の平均湿度の14 日間の移動平均(Dn)とよく相関していた.相関係数はそれぞれ-0.74 と 0.75 であった.この結果は,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の最外殻エンベロープの化学構造やその感染メカニズムと矛盾しない.新型コロナウイルスを含む飛沫あるいは付着飛沫を乾燥させることによりウイルスの感染能力を消滅させ,飛沫感染や接触感染を防ぐためには,公共性の高い屋内あるいは人の多い屋内空間においては,加湿よりも換気を行ない,空間を乾燥した状態に保つべきである.</p>
著者
片桐 利真 妻屋 昌秀
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.35-39, 2021-02-15 (Released:2021-02-16)
参考文献数
6

使い捨て手袋は,実験室レベルの有機溶媒作業において保護具として頻繁に使用されている.しかし,用いられる素材の多くは親油性であり,有機溶媒を吸着・透過する.本研究では使い捨て手袋(ラテックス,ニトリル,ウレタン,サニメント(ポリエチレン))の有機溶媒(ヘキサン,トルエン,塩化メチレン,2- プロパノール)及びその蒸気の吸着・透過を検討した. その結果,ゴム手袋は有機溶媒の液体だけではなく,溶媒蒸気を吸着・透過した.特に塩素系有機溶媒は,良く吸着・透過した.