著者
窪 航平 隅田 学 掛水 高志
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.63-66, 2021

<p>本研究は高等学校化学において,物質量に関する科学理解の形成を促進する理科授業を開発することを目指し,まず今回,予備調査として理科教員志望大学生83名を対象に物質量に関する簡単な問題及び定義に関する設問,身の回りにあるある数をワンセットとして考えているような単位概念に関わる設問をからなる3つのセクションの調査をGoogle フォームで実施した.その結果,基本的な問題では90%を超える正答率が得られた.物質量の定義に関わる自由記述形式の設問に対する回答と正答率が90%を下回った問題を総合的に分析した結果,粒子数が体積に影響するという誤概念を形成している学生がいること,基本的な定義を知っているにもかかわらず,それらの活用に問題があることがわかった.また,身の回りにあるある数をワンセットとして考えているものの例としては「クラス,卵,足,パック,カートン,ケース,チーム」などの表現が見られ,それらが単位概念の例として大学生にとって身近である事がわかった.</p>

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