著者
相馬 拓也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.287-309, 2021
被引用文献数
2

<p>モンゴル西部アルタイ山脈に暮らす遊牧民は,ユキヒョウとの長年にわたる接触体験から,さまざまな動物民話のオーラルヒストリーを蓄積・継承してきた.ユキヒョウと遊牧民との接触により語り継がれた民間伝承・伝説・語りなどの伝承《ナラティヴ》は,科学的成果《エビデンス》とも十分に照応できるローカルな生態学的伝統知T.E.K.でもある.本研究では, 2016年7月19日~8月25日および2017年8月2日~16日の期間,ホブド県ジャルガラント山系,ボンバット山系,ムンフハイルハン山系のユキヒョウ生息圏に居住する,117名の遊牧民からオーラルヒストリーの記録・収集を実施した.在来の動物民話の記録やその科学的検証は,地域住民をユキヒョウ保護のアクターとして統合する新しい保全生態のかたちを提案できると考えられる.本論では,野生動物を取り巻くエコロジーの多面性と重層性を,複合型生物誌として整備することを提案する.</p>

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“CiNii 論文 - ユキヒョウの保全生態をめぐるナラティヴ《伝承》とエビデンス《科学的根拠》の複合型生物誌” https://t.co/c68rj8XTSa ※本文リンクあり

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