著者
森 静香 横山 克至 藤井 弘志
出版者
日本作物學會
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.113-119, 2010
被引用文献数
1 5

共同籾調整乾燥貯蔵施設利用地域における産米の食味向上については,地域全体で産米のタンパク質含有率の制御を目的とした食味向上栽培技術の導入と同時に個別の産米に対する評価の方法を構築する必要がある.そこで,登熟期の葉色と玄米タンパク質含有率の関係,その年次間・地域間変動および登熟期の葉色による産米の仕分けについて検討した.乳熟期,糊熟期および成熟期における葉色と玄米タンパク質含有率の関係は,止葉および次葉とも,糊熟期での相関が最も高く(r=0.814<sup>***</sup>),次いで成熟期(r=0.727<sup>***</sup>),乳熟期(r=0.704<sup>***</sup>)であった.また,1999年から2001年での年次別および地域別の止葉の葉色と玄米タンパク質含有率の相関関係を比較すると,糊熟期>成熟期>乳熟期の順に高くなる傾向であった.糊熟期の葉色で玄米タンパク質含有率を推定した場合,乳熟期および成熟期と比較して,地域・年次による差が小さかった.1999年から2001年の八幡町・酒田市・鶴岡市において,玄米タンパク質含有率が75 g kg<sup>-1</sup>となる糊熟期の止葉の葉色値(10株の最長稈の平均値)32を境界値とした場合,葉色値32以上と32未満のグループにおける玄米タンパク質含有率の差が5.4~7.8 g kg<sup>-1</sup>での仕分けが可能であった.

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