- 著者
 
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             内田 順子
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本社会学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 社会学評論 (ISSN:00215414)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.65, no.4, pp.504-520, 2015 
 
          
          
          
        
        
        
        本稿は, 国立歴史民俗博物館が実施している民俗研究のための映像制作を事例として, 「映像を保存・活用する」際の諸課題について考察するものである. 長期的な展望をもって映像を制作し, 保存し, 活用するには, メディア変換などの技術的な問題, 著作権・肖像権などの法的問題, アーカイブの構築などの映像を共有するしくみに関する問題などを解決していく必要がある. 民俗研究を目的として制作された映像は, 研究者と, 研究対象となる地域の人びととの協働によってつくられるものであるため, その協働の関係性は, 映像そのものに色濃く反映される. そのような映像を保存・活用する際には, 著作権・肖像権に関する一般的な検討とは別に, 倫理的な問題として検討しなければならない事柄がある. その点が, 一般的な映像の保存・活用と異なるところである.