- 著者
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前田 淳
- 出版者
- 慶應義塾大学出版会
- 雑誌
- 三田商学研究 (ISSN:0544571X)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.6, pp.39-51, 2005-02
- 被引用文献数
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テイラーによるr科学的管理法」がアメリカで産声を上げたのが19世紀の終りから20世紀の初めにかけてである。この「科学的管理法」が彼が所属したミッドヴェール製鋼会社,並びにベスレヘム製鋼会社だけに留まらず,アメリカの鉄鋼産業の大部分に,さらにはシカゴの食肉包装とデトロイトの自動車産業へと普及され始めたのは1910年代のことである。またフォードがT型1車種の限定生産を挙行し,いわゆる「大量生産体制」の確立を確固たるものとしたのが1909年から1927年にかけてである。テイラーシステムとフォードシステムの内実を規定し,特徴づけるアメリカの経営経済的条件,或いは社会的条件とは一体何か。この点を数稿かけて解明することとしたい。本稿においては,テイラーシステム出現前にとりわけ東部の機械工業企業で支配的に見られた内部請負制度を取り上げ,まずその特質と意義を把握すると同時に,その解体の原因を解明した。また解体後の新たな動向についても考察を試みた。