著者
仁木 一順 澤田 珠稀 多田 耕三 西田 明代 土肥 甲二 光在 隆 奥田 八重子 森川 幸次 前 武彦 黒木 光代 高岡 由美 松岡 太郎 芦田 康宏 上田 幹子
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【背景・目的】超高齢化が進む現在、個々が主体的に健康の維持増進に取り組むことができる仕組みが求められる一方で、自らの健康について気軽に相談できる場の不足や、SNSなどの普及に伴う信憑性に欠ける健康情報の氾濫などの課題がある。そこで我々は、豊中市、豊中市薬剤師会と連携し、健康サポート拠点として薬局が発信する情報が地域の健康維持・増進に貢献できるのかを明らかにすることを目的とした産官学共同研究を2019年9月より実施している。今回は本研究を紹介するとともに、開始数か月間の経過を報告する。【方法】豊中市の7圏域それぞれ1件の薬局にデジタルサイネージ(DS)を設置し、市や薬剤師会からの健康情報を配信する環境を整備した。配信情報として、健診、予防接種など、薬局から関係機関へとつなぎ、疾病の重症化予防に貢献しうると考えられるものを中心に12カテゴリーを準備した。また、各薬局でタブレットを用い、配信した情報の有用性に関する5件法(そう思う~そう思わない)での14問のアンケートを実施するとともに、タッチ対応DSを使用することで薬局利用者が閲覧した情報履歴を収集し、解析した。【結果・考察】アンケート回答数は延べ339件であり、タッチによるDSの情報へのアクセス数は延べ13980回であった(11月15日現在)。「この情報が役に立ったと思いますか」、「今後も健康情報が欲しいと思いますか」と問いに対し、[そう思う・どちらかというとそう思う]の回答者は、それぞれ302名(89.1%)、311名(91.7%)であった。以上のことから、DSにより薬局が発信する健康情報が薬局利用者にとって有用となる可能性が示唆された。今後は、配信した情報による利用者の行動変容や市が集計する客観的指標なども評価し、薬局を拠点とした情報発信が地域の健康増進に貢献できるのかを検証していく。

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2020年に日本薬学会第140年会(京都)で発表された報告の要旨 https://t.co/cuRLT5vL2W

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