著者
森川 晃 川上 弘 田北 徹
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.271-277, 2002-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
14

1998年4月から2000年4月に島原半島沖の有明海で漁獲されたマゴチ603尾とヨシノゴチ263尾について, 耳石薄片標本により年齢と成長の解明を試みた。耳石輪紋形成時期は両種とも年1回, マゴチでは6~7月, ヨシノゴチでは4~5月であり, いずれも産卵期にほぼ一致し, 輪紋数は年齢を示すと考えられた。満年齢時における両種の雌雄別逆算全長をもとに, 非線形最小二乗法を用いて, von Bertalanffyの成長式をあてた結果, t歳における全長Ltは次式で表された。マゴチ雄: Lt=458.26 (1-exp (-0.417 (t+0.439) ) )雌: Lt=728.44 (1-exp (-0.192 (t+0.978) ) )ヨシノゴチ雄: Lt=469.72 (1-exp (-0.215 (t+3.008) ) )雌: Lt=657.45 (1-exp (-0.267 (t+1.076) ) )両種とも, いずれの年齢においても雌の方が雄より大きい体サイズを示した。
著者
古賀 昭人 川上 弘泰 野崎 秀俊
出版者
日本化學雜誌
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1280-1284, 1958

酸性硫化水素泉と含食塩重曹泉とについて40℃, 60℃のおのおのに老化現象として認められるもの-pH, 含有ガス, 濁度, 酸化還元電位, 過酸化水素分解速度定数, 吸収スペクトルなどについて同時測定を行い, つぎの結果を得た。<BR>いずれも含有ガスの逸脱によって幾多の老化現象が起り, 高温になるほどはやくなる。また泉質により異なり酸化還元電位は酸性硫化水素泉は低く時間による変動も大きく強力なる還元力泉であるに反し, 含食塩重曹泉は変動はずっと小さい。また過酸化水素分解速度定数の泉温による違い, 泉質による違いや人工泉との差異もはっきり形が現われており, 種々の変化はおのおの関連性があって時間的に一致している。硫化水素泉の大きな特長は吸収スペクトルの吸収端が一方に動かず反転することである。つまり一度,短波長側にうつりつぎに反転して長波長側に吸収が移動する。含食塩重曹泉はこれに反し長波長側に移行するのみであった。これらの点につき種々考察を行った。
著者
野崎 秀俊 古賀 昭人 川上 弘泰
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1285-1287, 1958

第11報と同じ温泉で40℃と60℃について採水後の比抑圧係数とベンジジン反応の時間的変動を調べた。その結果,地蔵湯 (酸性硫化水素泉) では硫化水素が逃げると共に比抑圧係数の値も減少する。その速度は高温ほどはやい。人工泉との違いも前報と同様にはっきり現われている。竹瓦温泉 (含食塩重曹泉) はその変化がきわめてはやく値も地蔵湯の約1/10である。この場合, 地蔵湯ほど含有ガスの量に比例しておらず, 遊離炭酸のみならず水酸イオン, 炭酸イオンなどが比抑圧係数の老化現象として現われると思われ, 温度の違いは,さほどではない。またベンジジン反応は急速に消失した。
著者
川上 弘美 木田 元 富山 太佳夫
出版者
岩波書店
雑誌
図書
巻号頁・発行日
no.663, pp.2-11, 2004-07