著者
グッド 長橋広行 グッド 和代
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.19-24, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)

米国では電子資料の増加にともない大学図書館の役割が,蔵書構築から学習スペースの提供や更なる学習支援に転換してきている。私たちは電子書籍の増加が図書館サービスの転換を促し,利用者支援を向上させると期待してきた。しかしここ数年の電子書籍を取巻く環境は,私たちが予想していたものとは違うようだ。学生はいまだ紙書籍を好み,電子書籍の読み辛さは改善されず,大学図書館の電子書籍購入予算は減少している。本稿ではその問題と原因を2つの最新の全米調査報告書から探り,大学図書館で電子書籍サービスを支える職員たちの取り組みを報告する。最後に日本語電子書籍への要望を添える。
著者
グッド長橋 広行 グッド 和代 小泉 公乃
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.318-325, 2014-08-01

本稿の目的は,米国の大学・公共図書館におけるファンドレイジング活動を明らかにすることである。まず卓越した大学図書館と公共図書館におけるファンドレイジング活動の概要を,グッド広行・和代が複数の事例をもとに記述した。次に図書館長らのインタビューをもとに,ピッツバーグ・カーネギー図書館の業務プロセスを小泉公乃が明らかにした。これらのことから,米国の図書館におけるファンドレイジング活動は,1)成功を収めたファンドレイジングの手法が多岐に渡り,2)担当は主に専門家と図書館員から構成され,3)資金は主として新しい試みに投資される傾向にあり,4)経営戦略と不可分なものであることがわかった。
著者
グッド長橋 広行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.539-544, 2009-11-01

本稿は,米国大学図書館が1990年代前半から提供し始めたGIS(Geographic Information Systems)サービスの動向と将来の展望を,過去のアンケート調査と著者の追跡調査,GIS教育との関わりを通して考察する。大規模大学図書館ではすでに90%の普及率に達しているが,今後利用者を増やしていくには,しっかりしたデータ・コレクション・プランが必要であると考えられる。また,中規模,小規模大学図書館はまだ20〜30%の普及率でこれからも伸びるであろうが,より充実したGISサービスを提供していくには,学科や学部との共同作業が望ましいと思われる。