著者
ノーリタ サンセダ 上田 久美子 ジュリア イバニェズ 鈴木 恵美子 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.231-238, 2007-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
16

インキュベートしたあひるの卵の有精卵と無精卵である“balut”と“penoy”の歴史的背景および化学成分について調べた。試料はフィリピンで市販されているインキュベートした有精卵, 無精卵のゆで卵と日本で卵を購入し, 大学の研究室で調製したものを用いた。本研究の結果,“balut”と“penoy”はフィリピンに元々あるものではなく,中国の取引業者や移民があひるの有精卵を食べるという考えをフィリピンにもたらしたことが判明した。しかし,balut製造の知識や技術をもっているのはbalut製造業者に限られている。今日までbalut製造は伝統的な手作りによっており,機械化されていない。インキュベートした試料の総遊離アミノ酸量はインキュベートしていないものより高かった。タウリンは有精卵,無精卵ともにインキュベートすることで有意に高くなった。このことはインキュベートすることで栄養的にプラスの効果があること示している。ゆでた後,インキュベートした有精卵にはかなりの量のドリップがあり,無精卵には少量みられたがインキュベートしていないものにはほとんどなかった。