著者
山川 達志 水田 克巳 黒川 克朗 永沢 光 山田 尚弘 鈴木 恵美子 和田 学
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.485-491, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 12

2008,2011,2014,2016年夏季に経験したヒトパレコウイルス3型感染に伴う成人の筋痛症17症例(男性14例,女性3例)について検討した.年齢は21歳から50歳.全例,四肢に強度の筋痛,筋力低下,握力低下を認めた.14例(82%)に発熱,8例(47%)に上気道炎症状,4例(24%)に胃腸炎症状,男性4例(男性の29%)に陰部痛を認めた.血清CKが1例を除き上昇していた.骨格筋MRIは5例中2例に大腿筋に異常信号を認めた.神経伝導検査は9例中5例でF波の誘発が不良だった.7例で同時期に家族内の乳幼児に発熱,感冒様症状があり家族内感染が疑われた.全例1~2週間で軽快した.
著者
ノーリタ サンセダ 上田 久美子 ジュリア イバニェズ 鈴木 恵美子 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.231-238, 2007-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
16

インキュベートしたあひるの卵の有精卵と無精卵である“balut”と“penoy”の歴史的背景および化学成分について調べた。試料はフィリピンで市販されているインキュベートした有精卵, 無精卵のゆで卵と日本で卵を購入し, 大学の研究室で調製したものを用いた。本研究の結果,“balut”と“penoy”はフィリピンに元々あるものではなく,中国の取引業者や移民があひるの有精卵を食べるという考えをフィリピンにもたらしたことが判明した。しかし,balut製造の知識や技術をもっているのはbalut製造業者に限られている。今日までbalut製造は伝統的な手作りによっており,機械化されていない。インキュベートした試料の総遊離アミノ酸量はインキュベートしていないものより高かった。タウリンは有精卵,無精卵ともにインキュベートすることで有意に高くなった。このことはインキュベートすることで栄養的にプラスの効果があること示している。ゆでた後,インキュベートした有精卵にはかなりの量のドリップがあり,無精卵には少量みられたがインキュベートしていないものにはほとんどなかった。
著者
三宅 紀子 酒井 清子 曽根 保子 伊坂 亜友美 鈴木 恵美子 倉田 忠男
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.75, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】アスコルビン酸(ASA)は調理過程において容易に酸化、加水分解されてジケトグロン酸(DKG)になる。ASA酸化生成物は反応性が高いジカルボニル構造を有することから、タンパク質とのメイラード反応が懸念される。近年このメイラード反応が生体内においても進行し、様々な疾病に関わることが報告され、飲食物由来のメイラード反応生成物の健康への影響についても関心が向けられるようになった。本研究ではASA酸化生成物と食品タンパク質との反応生成物の生体への影響について検討を行った。【方法】食品の加熱調理のモデル系として、ASA、DKG(50mM)とカゼイン(10mg/ml)との反応をリン酸緩衝液(0.1M、pH6)中、70℃で一定時間行い、ジカルボニル化合物の生成をHPLC法により定量した。また、反応生成物の高分子画分を用いて、ヒト腸管上皮モデル細胞Caco-2について増殖への影響をMTT法により、AGEレセプター(RAGE)のmRNA発現をリアルタイムRT-PCR法により調べた。【結果】DKGとカゼインとの加熱反応の過程において、数種のジカルボニル化合物の生成が確認され、その中でグリオキサール(GO)量は反応初期において高く、反応時間15分以降GO量が著しく減少した。DKGとカゼインとのメイラード反応生成物(DKG-Casein)の培養細胞への影響を調べたところ、GOおよびMGの場合よりも低濃度での細胞増殖抑制が示された。さらにCaco-2のRAGEのmRNA発現は、DKG-Casein処理により、カゼイン処理の約1.4倍に有意に上昇した。よって、食品中のASA由来メイラード反応生成物が生体に影響を与える可能性が示唆された。
著者
瀬戸 順次 鈴木 恵美子 山田 敬子 石川 仁 加藤 裕一 加藤 丈夫 山下 英俊 阿彦 忠之 水田 克巳 中谷 友樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.22-072, (Released:2022-11-08)
参考文献数
15

目的 感染症の流行状況を的確に示すためには,時・場所・人の3つの情報の要約が求められる。本報告では,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が山形県において「いつ・どこで・どのように」広がっているのかを可視化したCOVID-19時空間三次元マップ(時空間マップ)を用いて実施した公衆衛生活動の概要を紹介することを目的とした。方法 山形県および山形市(中核市)のプレスリリース情報を基に感染者の疫学情報をリスト化し,無料統計ソフトを用いて時空間マップ(自由に回転,拡大・縮小が可能な3次元グラフィクスを含むhtmlファイル)を作成した。時空間マップの底面には,山形県地図を配置した。各感染者は,XY平面の居住地市町村(代表点から規定範囲でランダムに配置)とZ軸の発病日(推定を含む)の交点にプロットした。また,色分けにより,感染者の年齢群,感染経路を示した。さらに,県外との疫学的関連性を有する感染者には,都道府県名等を挿入した。完成した時空間マップは,山形県衛生研究所ホームページ上で公開し,随時更新した。活動内容 2020年8月に時空間マップの公開を開始し,以降,山形県で経験した第六波までの流行状況を公開した。その中で確認された,第一波(2020年3~5月)から第五波(2021年7~9月)までに共通していた流行の特徴をまとめ,ホームページ上に掲載した。あわせて,その特徴を踏まえた感染対策(山形県外での流行と人の流れの増加の把握,飲食店クラスターの発生抑止,および家庭内感染の予防)を地域住民に提言した。2022年1月以降の第六波では,10歳未満,10代,そして子育て世代の30代の感染者が増加し,保育施設・小学校におけるクラスターも増えていたことから,これら施設においてクラスターが発生した際の家庭内感染の予防徹底を呼びかけた。結論 時・場所・人の情報を含むCOVID-19流行状況をまとめた図を作成・公開する中で得られた気づきを基に,地域住民に対して具体的な感染対策を提言することができた。本報告は,自治体が公表している感染者情報を用いた新たな公衆衛生活動の方策を示した一例と考えられる。
著者
松田 美和子 鈴木 恵美子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヒトが生まれつき体内でビタミンCを合成できない体内状態を模倣するため、ビタミンC生合成能を失ったGNL/SMP30ノックアウトマウスを用いた。ビタミンC欠乏が不安症・うつ病の誘発リスクとなる可能性を検証した。心の病に影響する成育環境に着目し、仲間が常に同じ安定群または仲間がたえず入れ替わる不安定群を比較した。ビタミンC欠乏では、ビタミンCを十分与えた期間に比べて、不安様行動とうつ様行動が悪化した。社会的安定群は新規ストレッサーに脆弱であり雄で顕著だった。社会的不安定群は血中グルタチオン濃度が有為に低かった。本研究の結果から、ビタミンCは精神疾患の予防に重要であることが示唆された。
著者
三宅 紀子 酒井 清子 五十嵐 歩 鈴木 恵美子 倉田 忠男
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-192, 2007-06-20
参考文献数
13
被引用文献数
1

エダマメ中の呈味成分やビタミンCは水溶性や不安定な化合物であるためゆで加熱中に分解したり,溶出したりすると考えられてきた。本研究の目的はエダマメ中の呈味成分およびビタミンC含量に対するゆで時間(3-10分)の影響を調べることである。主要な呈味成分であるスクロース,グルタミン酸,アラニンなどの糖および遊離アミノ酸含量は7分間以内のゆで加熱では著しい減少は認められなかったが,10分間ゆで加熱では総遊離アミノ酸とアラニンが有意に減少した。総ビタミンCは7分間以内のゆで加熱では90%以上が残存していたが,10分間加熱では85%に減少した。従って7分間以内のゆで加熱時間ではエダマメの呈味成分およびビタミンC含量はあまり影響を受けないことが明らかになった。
著者
鈴木 恵美子
出版者
東京外国語大学
巻号頁・発行日
2004

言語学 (Linguistics)
著者
影向 範昭 山本 加代子 高橋 美枝子 岡田 道子 遠藤 泰 千葉 智子 遠藤 初恵 鬼頭 健二 鈴木 恵美子 森塚 光子 吉田 紀昭 遠山 邦子 大久保 幸子 大橋 恵 上中 清隆
出版者
一般社団法人 日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.36-44, 2008-04-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The present study surveyed the application of antimicrobials in dental practice in 17 private dental college or university hospitals in Japan, in order to investigate the actual conditions of using antimicrobials.According to the medicinal virtues, a drug list with percentage was prepared depending upon the number of actual use of internal medicine, injections provided in the prescription or instructions for the 10-day period from September 4 to 15, 2006. Furthermore, a survey of the kind of antimicrobials with consumption for each hospital was also done for the six-month period from April 1, 2006 to September 30, 2006.Classified by medicinal virtues by internal use medicines, the proportion of antibacterial and anti-inflammatory analgesic drugs accounted for 32% each, and gargle and gastrointestinal medicine for 12% and 10% respectively. Among the internal use antimicrobials, usage of the cephem system was 54% whereas penicillin and macrolide system were 23% and 21%, respectively. The largest consumption was cefcapene pivoxil hydrochloride for antibacterial medicines. This drug was widely used in 10 out of 17 hospitals. Erythromycin ethylsuccinate was in second position, followed by cefdinir, rifampicin and ampicillin.The method of marking order of each hospital and order of the total consumption were analyzed and some differences in consumption of different drugs were observed. Many hospitals suggested the use of clarithromycin, cefaclor and amoxicillin although consumption was low.According to the medicinal virtues of injectable medicines, the frequency of use of antimicrobials was the highest (34%) . Among the injectable antimicrobials, the cephem based system (60%) and penicillin system (33%) accounted for more than 90% of the total use. Cefazolin was the most consumed drug, followed by asoxicillin, flomoxef sodium and ceftriaxone.