著者
許 俊傑 問馬 樹 方 舟 パリヤワン プージャナー 原田 智広 ターウォンマット ラック
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.221-226, 2019-11-01

本論文では,体全身を使用するモーションゲームにおいて,身体部位の使用のバランスを促進するための,対戦格闘ゲーム AI を提案する.本研究では,プレイヤーのゲーム支配力を調整することで,プレイヤーの入力に基づき,AI のアクションを制御する「プレイヤー支配調整(Player Dominance Adjustment, PDA)」と呼ばれる,新しい概念を使用する.これは,AI がプレイヤーの実行しようとしているアクションを分析し,そのアクションがバランスを高める場合,AI キャラクターにもっと有利な行動を取って,プレイヤーのゲーム支配力を上昇させる.そうでない場合,プレイヤーに対し AI が強い行動を取るように,モンテカルロ木探索(MCTS)から取得した行動を実行する.実験により,提案された AI が既存の AI(MCTS ベースの AI)よりもバランスが取れていることが示唆される.
著者
山本 界人 水野 竣介 ターウォンマット ラック
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2328-2335, 2014-11-15

本稿では,対戦型ゲームにおける戦略多様性の観点からゲームバランスの分析を自動的に行う手法を提案し,その有用性を評価した.ゲーム開発におけるゲームバランスの分析,調整は面白いゲームを作成するためには不可欠な要素である.一方で,その分析,調整のプロセスには時間的コストがかかる.開発期間に限りがあるゲーム開発の現場では,十分にゲームバランスの分析,調整を行うことができない場合も少なくない.このため,ゲームバランスを自動的に分析する手法が必要とされている.既存のゲームバランスの自動分析手法は,1つの状況を分析するために大きな計算時間を必要とする,もしくは事前に人間がゲームタイトルに依存する専門的な知識を必要とするものだった.このため,人間が知識を獲得していない,かつ多くの状況が存在するゲームへと適用する場合には大きな計算時間を必要とした.そこで,本稿では,Stochastic Genetic Algorithm(StGA)を用いて,専門的な知識なしに多くの状況を持つゲームを分析する手法を提案する.国際AI大会のプラットフォームとして利用されているFightingICEを対象にした実験から,本手法の有用性を確かめた.
著者
石原 誠 宮崎 泰地 原田 智広 ターウォンマット ラック
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.2414-2425, 2016-11-15

本稿では,対戦格闘ゲームにおけるゲームAI(AI)や操作法がプレイヤの感じる面白さに与える影響について分析する.対戦格闘ゲームには,キーボードなどの指先による操作と,Kinectを用いて体の動きで操作する方法がある.プレイヤがいずれの操作においても楽しく対戦格闘ゲームをプレイするためには,プレイヤと互角に戦うようなAIが必要である.また,それを実現させるためには強さをある程度持ったAIが必要である.本稿では,UCTをノード選択における戦略としたモンテカルロ木探索,ルーレット選択,ルールベースの手法を組み合わせることで,先述したAIを開発する.このAIをベースにし,UCTの評価関数を改変することによってプレイヤに合わせて強さを調整(難易度調整)するAIを開発する.そして,AIや操作法がプレイヤの感じる面白さに与える影響を,キーボード,Kinectのそれぞれの操作において分析する.対戦格闘ゲームの国際AI大会のプラットフォームとして利用されているFightingICEを用いた被験者実験より,難易度調整はプレイヤがより楽しんで対戦格闘ゲームをプレイするための重要な要素であり,特にKinectにおいて顕著な効果が示された.
著者
大伴 周也 原田 智広 ターウォンマット ラック 伊東 卓男
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.1294-1305, 2020-08-15

近年施設の老朽化によるタンク,配管施設等からの油漏れが深刻な問題となっている.石油の漏洩は土壌汚染等の環境問題につながる恐れがあるため,漏洩を早期に検知することが必要となる.本論文では,この石油漏洩を早期に発見するための漏洩検知手法を提案し,その有効性を評価する.提案手法は,位相データ解析を用いた高水準データ解析で得られる時系列特徴量から,機械学習を用いて漏洩の有無を判別するモデルを学習する.実際の石油タンクから得られた液面計データを用いた性能評価実験の結果,提案手法は非常に少ない漏洩量であっても,高精度に漏洩判定が可能であることを確認した.
著者
山本 界人 水野 竣介 ターウォンマット ラック
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2328-2335, 2014-11-15

本稿では,対戦型ゲームにおける戦略多様性の観点からゲームバランスの分析を自動的に行う手法を提案し,その有用性を評価した.ゲーム開発におけるゲームバランスの分析,調整は面白いゲームを作成するためには不可欠な要素である.一方で,その分析,調整のプロセスには時間的コストがかかる.開発期間に限りがあるゲーム開発の現場では,十分にゲームバランスの分析,調整を行うことができない場合も少なくない.このため,ゲームバランスを自動的に分析する手法が必要とされている.既存のゲームバランスの自動分析手法は,1つの状況を分析するために大きな計算時間を必要とする,もしくは事前に人間がゲームタイトルに依存する専門的な知識を必要とするものだった.このため,人間が知識を獲得していない,かつ多くの状況が存在するゲームへと適用する場合には大きな計算時間を必要とした.そこで,本稿では,Stochastic Genetic Algorithm(StGA)を用いて,専門的な知識なしに多くの状況を持つゲームを分析する手法を提案する.国際AI大会のプラットフォームとして利用されているFightingICEを対象にした実験から,本手法の有用性を確かめた.In this paper, we propose and evaluate an automatic analysis method for game balance from the perspective of strategic diversity in action games. Analysis and adjustment of game balance in game development are essential elements in order to create an interesting game. However, time cost is required for such analysis and adjustment. In typical game development, often with limited development time, it is not possible to adjust and analyze game balance completely. Therefore, an automatic method for analyzing the game balance is required. So far, existing automatic analysis methods need significant computational time to analyze a situation, or require specialized knowledge obtained by humans based on the game title in advance. Therefore, a large amount of computational time is required when applying those systems to games with many situations, of which knowledge is not yet acquired by humans. In this paper, we propose a method that uses Stochastic Genetic Algorithm (StGA) for analyzing that sort of games. From experiments using FightingICE, which is used as the platform for an international AI tournament, the effectiveness of our method is confirmed.