著者
攝津 斉彦 深尾 京司 斎藤 修 バッシーノ ジャンパスカル 高島 正憲
出版者
武蔵大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

連携研究者とともに近代日本の府県別産業別GDPを推計した。本研究の特徴は、既存の推計がカバーしていない1874年のデータを新たに構築した点にある。新しいデータセットを使った分析によって明らかになった主要な事実は以下の通りである。①従来考えられているよりも明治初期の日本は豊かであり、②明治期の経済成長率は低かった(それはすなわち、江戸時代の経済成長率が高かったことを意味する)、③地域間格差は明治初期に大きく拡大し、その後格差の拡大に歯止めがかかるが、このような変化の背後には人口の地域間移動が大きく影響していたと考えられる。