著者
北村 紗衣
出版者
武蔵大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

SNSを利用した大規模な受容の調査については倫理的に問題があり、実施できないだろうという結論に達した。一方でSNSを用いてシェイクスピア劇の受容状況を調査する事例研究については、演劇においては上演中にリアルタイムでのツイートができないためツイッターハッシュタグのあり方が他のイベントと異なっていて活用がしづらい一方、うまくマーケティングツールとして利用している演劇祭や上演もあり、またツイッターを用いて活発に意見交換を行っている観客層も存在することがわかった。
著者
北村 紗衣
出版者
武蔵大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は16世紀末から21世紀初頭までの英国を主な対象とし、近世イングランド演劇の上演史上、男性の美や性的魅力がどのようにとらえられ、またその受容にどのような変化があったのかを問うものである。ウィリアム・シェイクスピアやクリストファー・マーロウなどの劇作家が活躍していた近世から現在のウェストエンドにいたるまで、男性スターの魅力は集客上の大きなポイントであったと考えられる。戯曲テクスト、上演史、批評史に関する調査を通して、近世イングランド演劇の上演において男性の美や性的魅力に対する考え方はどのように変遷してきたかを明らかにしたい。
著者
千田 有紀
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の最終的な目標は、以下の3点である。1.カルフォルニアにおける運動と日本における運動を比較し、日米社会の比較研究を行う。2.エコロジーとフェミニズムの関係を理論的・思想的に問い直す。3.アメリカのカリフォルニアでの反原子力運動を記録し、日本の運動と比較を分析を行う。また本研究は、母性に代表されるような家族に関する語彙の思想的意味を問いなおし、エコロジーとフェミニズムの関係を精査し、理論的に深化させることを目的としている。今年度はこの部分に集中的に取り掛かり、日本における「母性」、とくに「父性」との関係において、「母性」がどのように使われているのかについて検討した。とくに離婚後の家族における「母性」と「父性」の対立について、考察した。日本女性学会において「法律は、離婚後の親子関係に介入すべきなのか―面会交流は親の権利か、子どもの権利か、それとも義務か」というタイトルで、パネリストとして発表を行った。また『女性学』25号に「法律は、離婚後の親子関係に介入すべきなのか―面会交流は親の権利か、子どもの権利か、それとも義務か」という同名の論文が、掲載された。また家族にはらまれる暴力の問題がどのように日本社会で法的に制度化されているのかについて問い、「家族紛争と司法の役割──社会学の立場から」にまとめた。調査としては、今年度は日本において、福島からの女性避難者の聞き取り調査など、ライフヒストリーを聞き取ることを進めた。
著者
千田 有紀 海妻 径子 小川 富之 山田 昌弘 藤村 賢訓
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

離婚後の親子のありかたをめぐって国民的な議論が巻き起っている。日本において離婚後の共同親権の研究や調査は、社会学の分野ではほぼ皆無であり、規範的な法学論議にとどまっている。法がどのように社会を構築し、どのような制度によって支えられているかという問題として検討されていない。本研究では、離婚後の「子どもへの権利(責任)」の「所有」、「ケア」や「子どもの福祉」といった概念を問い直し、「保護複合体」の形成のありかたを分析し、ポスト「近代家族」において制度構築が可能なのかを検討する。その際にこれまで外国で積み重ねられてきた共同親権や共同監護をめぐる議論や調査を参考とし、調査を複合的に検討する。
著者
千田 有紀 中西 祐子
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究プロジェクトでは、デートDVへの取り組み、とくにキャンパスでどのように取り組んでいるのかを調査することによって、日米の取り組みと暴力観を比較することが目的としていた。調査の結果、(1)アメリカのキャンパスの取り組みの中心を占めるのが学生寮であること、(2)これは学生寮があるという必要に迫られているからでもあるが、またさまざまな取り組みを浸透させやすくもしていること、(3)ただ啓蒙をおこなうのではなく、学生とセンターやNPOを結ぶ「リーダー」を育成し、学生の主体性を作り出すことが必要であること、(40プログラムは具体的であり、ただ一方的に「加害者」を批判したり、「被害者」の心がけを求めたりするものではなく、大部分の「傍観者」を暴力防止に巻き込んでいくのかに焦点があてられていること、(5)たんに暴力を防止するだけではなく、「正しい男性性」などの定義を変容させ、暴力を取り巻くメディア環境を含め、文化に多くの注意を払っていること、などが明らかになった。
著者
瀬田 勝哉
出版者
武蔵大学
雑誌
武蔵大学人文学会雑誌 (ISSN:02865696)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.169-205,図版1枚, 2000-05
著者
千田 有紀
出版者
武蔵大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、日米の性暴力への取り組みを、とくに暴力主体である男性に焦点をあて、調査、分析するものであった。「男性性」のあり方を理論的に検討したあとで、アメリカで行われている男性への暴力への取り組みを調査することによって、男性を暴力の「主体」としないためにどのようなプログラムが有効であり、何が必要とされているのかを考察した。とくに暴力の「予防」プログラムについての具体的な知見が得られたことは、重要な成果であった。
著者
栗田 宣義
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

実験群たるローティーン女性ならびに統制群たるハイティーン女性全般においてファッションとメイクへの意気込みと傾倒は大きく、当初予想していたアーケードゲームの影響に加えて、とりわけ女性ファッション誌を中心とするマス媒体のもたらす培養効果は無視しえなく、それらを担い手とした社会化によって「ファッション系統」と呼ぶべき、好みのファッション誌と好みの化粧服飾がリンクした選好の類型が生成、保持されていることが統計的に確認された。
著者
小橋 龍人
出版者
武蔵大学
巻号頁・発行日
2022

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/2371
著者
小林 紫乃
出版者
武蔵大学
巻号頁・発行日
2022

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/2370
著者
攝津 斉彦 深尾 京司 斎藤 修 バッシーノ ジャンパスカル 高島 正憲
出版者
武蔵大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

連携研究者とともに近代日本の府県別産業別GDPを推計した。本研究の特徴は、既存の推計がカバーしていない1874年のデータを新たに構築した点にある。新しいデータセットを使った分析によって明らかになった主要な事実は以下の通りである。①従来考えられているよりも明治初期の日本は豊かであり、②明治期の経済成長率は低かった(それはすなわち、江戸時代の経済成長率が高かったことを意味する)、③地域間格差は明治初期に大きく拡大し、その後格差の拡大に歯止めがかかるが、このような変化の背後には人口の地域間移動が大きく影響していたと考えられる。
著者
小林 直美
出版者
武蔵大学
巻号頁・発行日
2014

identifier:http://repository.musashi.ac.jp/dspace/handle/11149/1639
著者
中西 祐子
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

戦後日本のアメリカ移住女性たちが、移住後、日系ネットワークをどのように活用しているかを考察するために、サンフランシスコ・ベイエリア内における各種日系ネットワーク関係者へのインタビューと、アメリカ移民全体の傾向を把握するためにThe New Immigrant Surveyの公開データの二次的分析を行った。日本人女性たちの間には起業を支援するようなエスニックな経済資本は見られなかったが、日常生活を支えるエスニックな社会関係資本の利用が見られた。彼女たちの互助的ネットワークは、日本では家族・親族が担ってきた育児期の相互支援や高齢者介護に至るまで「強い紐帯」的な役割を果たしていた。