著者
ラハマン G. K. M. M. 本山 直樹
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.387-391, 2000
参考文献数
21

有機リン殺虫剤クロルピリホスの畑土条件下での残留性を千葉と松戸の黒ボク土を用いて土壌の滅菌処理, 温度(15, 25, 35℃)や水分(20, 30, 40%)を変えて室内実験により研究した.土壌からメタノールで抽出後, 85%リン酸処理によって残留するクロルピリホスを遊離させ, 再びメタノールで抽出した.遊離したクロルピリホスは千葉土壌で最大18%, 松戸土壌で10%検出されたが, 長期間土壌中に残留した.土壌中の半減期は千葉土壌で28日, 松戸土壌で14日であり, 温度の上昇に伴って分解は速くなった.メタノールで抽出されない残留体は千葉>松戸であり, 有機炭素含量と正の相関を示し, 土壌有機物への吸着が示唆された.両土壌とも滅菌処理によって分解速度は遅くなったが, 遊離するクロルピリホスは酸処理によってあまり差がなかった.
著者
ラハマン G. K. M. M. 本山 直樹
出版者
Pesticide Science Society of Japan
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.387-391, 2000
被引用文献数
3

有機リン殺虫剤クロルピリホスの畑土条件下での残留性を千葉と松戸の黒ボク土を用いて土壌の滅菌処理, 温度 (15, 25, 35℃) や水分 (20, 30, 40%) を変えて室内実験により研究した. 土壌からメタノールで抽出後, 85%リン酸処理によって残留するクロルピリホスを遊離させ, 再びメタノールで抽出した. 遊離したクロルピリホスは千葉土壌で最大18%, 松戸土壌で10%検出されたが, 長期間土壌中に残留した. 土壌中の半減期は千葉土壌で28日, 松戸土壌で14日であり, 温度の上昇に伴って分解は速くなった. メタノールで抽出されない残留体は千葉>松戸であり, 有機炭素含量と正の相関を示し, 土壌有機物への吸着が示唆された. 両土壌とも滅菌処理によって分解速度は遅くなったが, 遊離するクロルピリホスは酸処理によってあまり差がなかった.