著者
塚正 泰之 福本 憲治 一宮 まさみ 杉山 雅昭 峯岸 裕 赤羽 義章 安本 教傳
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.862-869, 1992-10-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
18
被引用文献数
1

冷凍豚肉を解凍した時に遊離するドリップの一般性状と利用方法について検討した.(1) ドリップの主体は筋細胞内液で一部細胞外液が含まれている.一般組成は水分とタンパク質で全体の99%を構成し,タンパク質の含有量は,ももドリップの8.8%からロースドリップの12.0%までの範囲である.(2) ドリップの一般性状は筋肉部位によって異なり,ばら肉のそれはロース肉ともも肉のドリップの中間的な性状を示す.核酸関連物質,有機酸などは肉の部位毎の特徴をそのまま示している.(3) ドリップ自体を塩せきすると経時的に遊離アミノ酸が増加し,食味が向上することが確認された.(4) ソーセージに解凍ドリップを復元添加するとドリップ自体の塩せきの有無に関わらず食味および色調が顕著に向上することが判明した.