著者
一杉 太郎
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

超伝導体は金属光沢か黒色を呈する、というのが常識である。BCS理論に従うと、高い超伝導転移温度を有する物質はキャリア濃度が大きいため、可視光透明性が失われるはずである。しかし、我々は超伝導転移温度13.3 Kを示す、スピネル型LiTi2O4透明超伝導薄膜(可視光を透過する超伝導体)の合成に成功した。この物性を活用することにより、光エレクトロニクスと超伝導を組み合わせた新奇デバイスの構築が期待される。そこで本研究では、透明超伝導メカニズムの解明に取り組んだ。光学特性、電子状態評価、電子輸送特性評価を行い、高いキャリア濃度を有するにもかかわらず可視光透明性を示す理由を検討した。