著者
古山 勝彦 長尾 敬介 三ツ井 誠一郎 笠谷 一弘
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.519-532, 1993-11-25
被引用文献数
9

山陰東部地域の後期新生代の約30の火山についてK-Ar年代を測定した.試料のほとんどは玄武岩質単成火山からのものであるが大量に噴出したカルクアルカリ安山岩溶岩についても測定した.スコリア丘の開析の程度や溶岩が作る地形はそれらのK-Ar年代と調和している.測定試料はK-Ar年代にもとずくと,鮮新世と第四紀のものである.鮮新世の火山(浜坂,轟,大屋)は長径50km,矩形35km,N45°Wの延長方向の楕円形をなす山陰東部地区の北西・南西境界部分に分布する.第四紀の火山活動は玄武洞で1.6Maに始まり,1.3-1.5Ma,0.7-0.9Maの2回の休止期を除き,各10万年の間に1〜4の単成火山を形成しつつ完新世まで継続している.第四紀の火山活動はまとして本地区の西部と北東部で始まり中央部・南東部へ移動した.本地区で第四紀における最も活動的な時期は0.9-1.3Maの間であった.