著者
佐藤 好範 関根 邦夫 渡辺 博子 大橋 裕美子 青柳 正彦 三之宮 愛雄 西牟田 敏之
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.276-281, 1997-12-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

テオフィリン (TP) は, 気管支喘息治療薬として主要な薬剤の一つである. しかし, TPの代謝, クリアランスは種々の条件により影響を受け中毒症状を来しやすいことが知られている.今回我々は, 診断が明らかなインフルエンザウィルス (Inf) 感染時の, TPクリアランスの変化を経時的に検討した. その結果, 発熱に伴いTP血中濃度は約2倍に上昇し, クリアランスは2分の1に低下した. この変化は解熱後3日目に平常に戻った. またTP代謝産物の検討から発熱時にTPの代謝が抑制されている可能性が示唆された. Inf感染時には, 発熱と同時にTPの投与量を1/2に減量し, 解熱後3日目より, もとの投与量に戻すことによって, TP中毒を予防できうるものと考えられた.
著者
鈴木 五男 三ッ林 隆志 丸木 和子 赤坂 徹 前田 和一 中山 喜弘 浅野 知行 三之宮 愛雄 平井 守
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.396-402, 1984-07-30 (Released:2017-02-10)

施設入院療法を長年実施している3施設の協力を得て葉書によるアンケート調査を行い, 喘息児の症状の改善状態と遠隔成績について検討した.対象は気管支喘息児166名(男子116, 女子50), 入院時平均年齢は男子平均7歳9ヵ月, 女子7歳7ヵ月, 平均入院期間は男子23.6ヵ月, 女子24.4ヵ月であった.入院時の重症度は71.7%が重症, 28.3%が中等症であったが, 入院中72.3%が軽症化し, 退院1年後では軽症者が48.4%と減少し, 症状の悪化傾向がみられた.しかし, 退院3年後では81.2%に症状の改善をみた.女子, 年少児に重症化に傾向がみられたが有意差をみなかった.また入院中の症状の改善状況が退院後の経過に関連性を認めた.