著者
鈴木 五男 三ッ林 隆志 丸木 和子 赤坂 徹 前田 和一 中山 喜弘 浅野 知行 三之宮 愛雄 平井 守
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.396-402, 1984-07-30 (Released:2017-02-10)

施設入院療法を長年実施している3施設の協力を得て葉書によるアンケート調査を行い, 喘息児の症状の改善状態と遠隔成績について検討した.対象は気管支喘息児166名(男子116, 女子50), 入院時平均年齢は男子平均7歳9ヵ月, 女子7歳7ヵ月, 平均入院期間は男子23.6ヵ月, 女子24.4ヵ月であった.入院時の重症度は71.7%が重症, 28.3%が中等症であったが, 入院中72.3%が軽症化し, 退院1年後では軽症者が48.4%と減少し, 症状の悪化傾向がみられた.しかし, 退院3年後では81.2%に症状の改善をみた.女子, 年少児に重症化に傾向がみられたが有意差をみなかった.また入院中の症状の改善状況が退院後の経過に関連性を認めた.
著者
丸尾 はるみ 橋本 景子 下田 恵子 島貫 金男 中山 徹 山口 博明 椎貝 典子 内村 公昭 三ツ林 隆志 赤坂 徹 前田 和一 岡田 文寿 鈴木 五男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.621-630, 1990
被引用文献数
7

1988年, 小児気管支喘息の長期予後と予後に影響する因子を明らかにするため, 1,592名(男1,038, 女554)を対象としてアンケート調査を行った.調査時の年齢は平均20歳(観察期間は平均12年)であり, 長期予後は緩解が75.6%, 軽快が18.2%, 不変が4.0%, 悪化が0.9%, 死亡が1.3%であった.発症年齢は平均2.7歳であり, 20年前の報告と比べて約1歳低年齢化していた.治癒年齢は男子が平均13.0歳, 女子が12.3歳であった.発症年齢が2歳以下, 発症から初診までの期間が10年以上, 初診時の重症例, 入院歴のある者, 食物アレルギーの有る者の緩解率は不良であった.食物アレルギーが有る者は喘息発症年齢が約1歳低く, 初診時の重症例, 乳児期湿疹のある例, 喘息以外のアレルギー疾患を2つ以上合併している例が多かった.このような乳児喘息例を難治性喘息のハイリスク児としてとらえ、綿密な指導と経過観察が必要であると考えられた.