著者
三好 史隆 倉本 到 渋谷 雄 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.831-839, 2006-10-01
被引用文献数
5 5

ユーザがPCを用いて作業を行っているときに,優先的に行われている作業のことをメインタスクと呼ぶ.そして,そのメインタスクに割り込んで表示される情報のことを周辺情報と呼び,その提示方法のことを周辺表示法と呼ぶ.周辺情報により,ユーザは効率的に作業を進めることが可能になるが,周辺表示法が適切でなければ,ユーザは周辺情報を見逃したり,逆にメインタスクを邪魔され,効率良く作業を行うことができない.つまり,"メインタスクを邪魔しない"ということと"情報提示を気づかせやすい"ということが周辺表示法に求められている.しかし,この二つはトレードオフの関係にあり,両方を同時に満たすことは困難である.そこで,ユーザが周辺情報を受け取りながら作業を効率的に進めるためには,周辺表示法がユーザの作業に与える影響を知ることが重要となる.本研究では,"メインタスクへの妨害の度合"の指標として「タスク集中度」を提案し,これに加えて,"気づかせやすさ"の指標である認知時間を用いて周辺表示法を評価する.