著者
三嶋 恒平
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.635-674, 2009-11-25 (Released:2018-02-26)
参考文献数
43

2000年以降、タイオートバイ産業は輸出を本格化させ、国際的な競争優位を顕在化させた。これは単にタイに進出した日系企業が元来備えていた競争優位に由来するものではなかった。こうした国際競争優位の確立は、第一に進出先であるタイにおける厳しい企業間競争と、第二に日系完成車企業を主体としたタイにおける漸進的な能力構築行動、の二つが結実したものであった。
著者
三嶋 恒平
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は日本企業の国際的な競争優位の源泉としてトランスナショナル化(本社と海外拠点が相互依存の関係であり共同で優位性を構築し共有するようになること)に着目し、既存研究では不十分であった(1)新興国の市場・拠点でのイノベーションの発現、(2)そのグローバルな組織における共有経路・形態、(3)それらが組織全体の競争優位へ及ぼす影響の3つを明らかにすることを目的とした。目的(1)は企業や販売現場の実態調査を繰り返すことで特定の新興国におけるイノベーションを明らかにすることができた。目的(2)(3)は実態調査に加え、国際経営論を巡るサーベイと学会報告での議論を通じて概ね達成することができた。