著者
三木 敦朗 奥山 洋一郎 白澤 紘明 斎藤 仁志
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

森林管理を持続可能な水準に高めることが求められていますが、一方でそれを実行する市町村では人材確保が難しいという現状があります。行政担当者の意志決定を支援するAIシステムがあれば、担当者は住民や関係者との合意形成等に専念することができ、持続可能な森林管理と行政コストの圧縮が両立できるのではないかと考えます。本研究は、そうしたAIの可能性を調査・実験等によって検証します。また、こうしたシステムが導入されたとき、森林管理や合意形成のあり方がどのように変化するのかを、制度と人材育成の面からも検討します。
著者
三木 敦朗
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.12-18, 2011-03-01
参考文献数
25
被引用文献数
1

本稿では,グローバル資本主義段階において森林・林業がどのように変容したのかを,資本と土地所有という側面から鳥瞰した。かつて林業地代論が想定した,国内の育成的林業と海外の採取的林業という競合の構図は大きく変化している。すなわち,海外においては,経済の金融化と新自由主義政策の影響の下に育成的林業が形式的に成立したのに対し,国内では,資本の要求の下に再造林費を確保しえない形での生産拡大が起こり,採取的林業範疇というべき状況にある。この逆転現象は,国内において林野所有がグローバル資本主義に適合的な形で再編成されつつあることを背景としている。また,政策面では拡大造林期との類似点もみられる。こうした変容に対して,「森林セクター」はどのような対応をとりうるかを考察した。