著者
黒須 正明 山寺 仁 三村 到 炭野 重雄
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.38(1995-GN-011), pp.25-30, 1995-04-20

グループウェアの今後の開発方向を探るため、実会議の分析を行い、どのような形で計算機による支援が行われれば望ましいのかを検討した。本報告では初期的な検討結果として、実会議で遭遇するいくつかの問題点について分析した後、実会議がどのような方向に導かれるべきであるかを考察した。調査対象としたのは企業における意志決定型の会議であり、参加者総数は18名であった。そこに見いだされた問題点には、()会議中発言しない参加者の存在、()議論内容の不規則な変動、()会議としては非本質的な社会的要因の影響、()不明瞭な発言の存在、などがあった。こうした問題点に対して、グループウェアシステムが会議本来の目標、すなわち、()議論を深めること、()論点を明確にすること、()効率を上げること、()妥当な結論を得ること、などを実現するために、どのように対処し、支援を行なうべきかを検討した。併せて、日本の文化特有の行動パターンに深く根ざしているため、システムの導入に対して抵抗が予想される側面などについても考察した。
著者
黒須 正明 山寺 仁 本宮 志江 三村 到
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.67, pp.43-48, 1995-07-20
被引用文献数
11

臨場感通信において自然な双方向コミュニケーションを実現するためには、画面上の人物サイズをどのように表示すればよいのかを実験的に検討した。画面上の人物サイズを三段階、画面までの観察距離を三段階に変えた実験で、その自然さ等を評定させた結果、視角にして27度の条件が最も良いという傾向が見受けられた。この条件は日常的な対人距離を2m前後とした揚台には等倍提示の条件に相当するものであり、違和感に関する評定が等倍提示で最も低かったことと合わせると、人物サイズを等培で提示することの妥当性が支持されるように考えられた。An experiment was performed to find out an optimal condition of the size of the human body on the screen in the visual communication. There were three size conditions and three observation distance conditions in the experiment. The analysis of the rating data revealed that the condition of 27 degrees of the visual angle was the most natural. Considering that this condition corresponds to the actual size presentation if we assume the distance between two people facing each other to be 2 meters, we think a hypothesis that the human body should be presented in its actual size is supported.