- 著者
-
佐久間 泰司
百田 義弘
黒須 正明
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床救急医学会
- 雑誌
- 日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.3, pp.488-497, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
- 参考文献数
- 14
目的:一般市民も使用するAEDは,ユーザビリティに配慮すべきである。一般市民に近いと考えられる歯科衛生士専門学校生徒を対象に,AEDのユーザビリティを調査した。方法:参加者に「私が胸を押すので,あなたはAEDを操作してください」と促し,参加者がAEDを操作しショックを行う過程を観察した。その後90分の救急講習を行い,再度,同じ実験を行い比較検討した。6種類(A〜F)のAEDトレーナーを用いた。結果:AEDの蓋の開け方がわからず迷った参加者が,蓋を開けるタイプのAEDを用いた21名中8名いた。AEDの使用を促されてからAEDが心電図解析を始めるまでの時間は,講習により17.0〜66.0秒短縮した。AEDのショックボタンが点滅してからボタンを押すまでの時間は,講習により0.8〜4.8秒短縮した。使用法のガイダンスのアナウンスは機種によりまちまちで,呼吸や脈拍の確認を求める機種もあれば,上半身の衣服を脱がせ絵のとおりパッドを貼れという指示しかしない機種もあった。AEDのパッドを左右逆に貼る参加者が42例中11例にみられた。結論:AEDを一般市民が使用するにはユーザビリティ上の問題点があることがわかった。改善が必要である。