著者
三浦 一陽
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1154-1158, 1997-11-10

精液は大別すると2つの構成成分から成り立っている.精液のそのほとんどは精漿といわれる液体成分であり,残りの細胞成分である精子は全精液の1%にも満たない. 精漿は以前より副性器の機能や精子の運動機能に影響すると考えられており,精漿に対する多くの研究がなされてきた.本稿では精漿成分が精子運動においてどのように妊娠に重要な役割を果たすのか,あるいは精漿が精子運動に対して,いかに抑制的に作用するのかなどについて,筆者らの多少の経験と文献的考察をもとに述べるが,精漿に関しては,その詳細はいまだに不明な点が多いのが現状である.