著者
三浦 沙織
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.107-115, 2019-07-26 (Released:2020-09-18)
参考文献数
18

本研究の目的は,健康診断で糖尿病の可能性を指摘されてから受診行動に至る促進要因と抑制要因を明らかにすることである。健康診断で糖尿病の可能性を指摘され受診した患者10名に対し,半構成的面接を行い質的に分析した。その結果,促進要因に関しては,【年齢や病気経験から自分の健康が気になる】【健康診断結果の自己評価や周囲の勧めで受診の必要性を認識する】【職場や自治体からの受診勧奨がある】【受診への制約が少ない】の4個のカテゴリーが抽出された。抑制要因に関しては,【自覚症状がなく,病気のリスクが感じられない】【要精査は自分で管理できる】【健康診断結果の意味や受診の相談先がわからない】【病院受診に抵抗感や負担感がある】の4個のカテゴリーが抽出された。このことにより,今回の対象者は「要精査」が示す受診の必要性を認識しにくい状況があり,看護職者は健康診断受診の段階から介入し,対象者に健康診断結果に対して正しく理解できるような支援の重要性が示唆された。
著者
三浦 沙織 行田 正晃 山本 格 五十嵐 正徳 平 英彰
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.1-7, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
23
被引用文献数
8 12

四分子期に異常が発生するスギ雄性不稔4系統 (福島不稔1号, 福島不稔2号, 新大不稔11号, 新大不稔12号) の発現過程を明らかにするため, 光学顕微鏡, 蛍光顕微鏡, 走査型電子顕微鏡, 透過型電子顕微鏡を用いてそれらの雄花の内部微細構造の観察を行った。小胞子形成過程において, 4系統はすべて正常個体と同様に四分子を形成した。しかし, カロース分解後小胞子に遊離せず, 花粉飛散期には塊状となって花粉は全く飛散しなかった。これらの雄性不稔では, カロースに囲まれている間に形成される外膜の初期外膜内層が発達せず, 小胞子同士が部分的に癒着していた。カロースの分解後, タペート組織からユービッシュ体の放出は認められず, 半透明の無定型物質が放出されそれが増加していった。4系統のスギ雄性不稔性が発現する原因は, 小胞子細胞質とタペート組織が, 花粉壁の外膜を構成する物質を正常に供給せず, 異常な活動を行うためであると考えられた。