著者
加藤 岳人 七野 滋彦 佐藤 太一郎 秋田 幸彦 河野 弘 梛野 正人 金井 道夫 三浦 由雄 片山 信 山本 英夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.735-739, 1983-04-01
被引用文献数
19

鈍的腹部外傷による小腸・腸間膜損傷の病型は,破裂・断裂・挫傷の3型に分類される.腸管の破裂や断裂は遅発性のものを除けば診断は比較的容易で,多くは開腹に至り救命しうる.一方,挫傷は症状も軽微で何らの後遺症も残さず治癒することが多い.しかしまれな合併症として遅発性穿孔や腸狭窄をきたす場合がある.今回われわれは外傷性小腸狭窄を呈した2症例を経験し,術前診断が可能であったので文献的考察を加えて報告する.