著者
伊藤 祐子 井上 薫 三浦 香織 河野 光伸 菊池 恵美子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.88-93, 2004-09-25
被引用文献数
2

発達障害児に対する感覚統合療法では,児童の障害の特性に合わせて様々な遊具を使用し感覚刺激を提供するという特徴がある。前庭系の刺激を提供する方法のひとつに,天井からつるされたホーススイングに児童を騎乗させ揺れ刺激を与え,姿勢を保持させるという方法がある。この訓練方法は臨床上,多くの療法士によって姿勢反応が未発達である障害児に対し実施されている。しかし,ホーススイングに乗っている際の姿勢反応について,客観的指標に基づき分析を行った報告は少なく,その効果も明らかでない。そこで本研究では,5歳から6歳の健常児を対象にホーススイングに騎乗中の頭部,体幹の反応について3次元動作解析装置を用いて分析し,その結果,ホーススイングに上手く乗れる児童と乗れない児童では,頭部,体幹の反応および,頭部の左右変位について異なる傾向を示す可能性があることが考えられた。
著者
伊藤 祐子 井上 薫 三浦 香織 山田 孝 品川 俊人 米田 隆志
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.164-169, 2006-12-25
参考文献数
5
被引用文献数
1

発達障害児に対する作業療法では,対象児の障害に合わせ様々なアプローチ方法が提唱されている。その一つに感覚統合療法がある。感覚統合療法は,主に学習障害児や自閉症児,自閉傾向児に施行されており,障害の特性に合わせて前庭覚,固有覚,触覚などの感覚刺激を入力できる様々な遊具を使用する。ホーススイングは天井から吊られた遊具で,重力を利用して自在に揺らすことができる。前庭刺激を与えやすく使用頻度の高いもので,平衡反応に問題を持つ児のセラピーに利用することが多い。しかし,平衡反応の改善等の効果は観察による評価が主体であり,定量的評価が難しいのが現状である。そこで,本研究ではホーススイングの揺れをモータで制御し,セラピストの力加減に依存しない一定の刺激を与えられるシステムの開発および,3次元動作解析を用いた平衡反応の定量的評価手法の検討を行ったので報告する。