著者
渡辺 久子 三田 雅敏
出版者
帝京短期大学
雑誌
帝京短期大学紀要 (ISSN:02871076)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-31, 2001-09-28

胎児期に形成される脳の性差がヒトの行動や思考パターンに影響を与えているらしい。私達はヒトの考え方に男女の違いがあるのか確しかめるため、帝京短期大学に在籍する学生(女子)の思考パターンを分析した。調査の結果、約45%の学生が女性っぽい考え方(女脳)を持っていて、男性的考え方(男脳)を示したものは約25%で、残りは中間型であった。この割合は学年や学科の専攻やコースで統計的に有意な違いはみられなかった。一方、対照として調査したW大学の男子学生では、70%が男脳の持ち主で、女脳はわずか12%に過ぎなかった。結論として、男子学生と女子学生では、思考パターンが異なるといえる。また、女子学生において、男性的思考をもつものがやや多い傾向がみられたが、現代社会における女性の高学歴化や社会進出と関連している可能性がある。