著者
窪田 祐一 劉 美玲 三矢 裕
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.3-20, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
35

本稿の目的は,両利き経営の成果に影響を及ぼす要因を解明することにある.具体的には,イノベーション戦略とマネジメント・コントロール・パッケージ(MCP)の2つの要因に注目する.両利き経営では,知の活用と探索を同時に行う両利き戦略を実現させる適切なMCPパターンの適用が不可欠であろう.本研究では,Simonsの提示するレバーズ・オブ・コントロール(LOC)を適用し,両利き戦略とMCPパターンが両利き経営の成果に与える影響を分析した.分析の結果,両利き経営の成果を効果的に得るには,すべてのLOCを重視するMCPパターンの利用が必要であることが示された.
著者
新井 康平 大浦 啓輔 岡崎 路易 三矢 裕
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.3-20, 2011

<p>本論文の目的は,経理シェアードサービスセンターの導入成果について,質問票および公開財務諸表から得られたデータをもとに経験的に検証することである.グループ企業内に分散するスタッフ業務を集約するシェアードサービスは,規模の経済による間接費の削減や,業務標準化による業務品質の向上に寄与するといわれてきた.そこで,本論文では,イベントスタディを実施することで,これら導入成果についての実証的な知見を提供する.結果として,先行研究で提唱されてきたようなコスト削減と業務品質の向上という導入成果がみられることが明らかとなった.ただし,シェアードサービスセンターに集約される業務内容によって,その導入成果の程度が異なることも明らかとなった.</p>