著者
平田 なつひ 伊藤 正江 坪内 美穂子 龍 祐吉 柵木 嘉和 三矢 誠 河合 清
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.147, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 愛知県の三河湾は、豊富な海産物が多くとれる。特に愛知県一色町は、えびせんべいの生産量が日本一といわれている。えびせんべいの歴史は古く明治中期頃から食べられるようになったといわれている。最初は、中国製のえびせんべいの原料として製造されていたのが始まりといわれており、天むすと呼ばれそれが元祖であるようだ。本研究では、地域の小学生を対象にして手焼きせんべい作りの体験学習を行った。体験を通して、地場産業であるえびせんべいの理解とその加工や流通等の食に関する理解を深めることを主な目的として行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 愛知県一色町の小学生を対象に、平成元年から開始した。(平成14年~16年の3年間については、文部科学省の研究開発学校として生活総合学習の一貫として本企業は地域の支援として関わった。)体験学習として工場にて1.手焼き体験、2.栄養価を考えたオリジナルせんべい作り、3.地域の地場産業に関する話を行った。<BR><B>【結果考察】</B><BR> 1.手焼き体験では、手焼き調理の基本である決められた分量と手順があることを教えた。手焼きの技術である押しつける力についても体得させた。2.体得した技術や調理加工のコツをもとにオリジナルせんべいを作成した結果、しらすやねぎ入りせんべいなど栄養価を考慮したせんべいを焼こうとする動きが見られた。3.地域の地場産業に関する話を行った結果、働くことの意義ややりがいを理解することが出来た。このような地域の教材を通しての体験学習は、豊かな外部依存の日常生活を営む現代社会において、新鮮な目で地域の伝統文化や産業をみることが出来ると思われる。今後も地域の企業として食育に明確なテーマ性をもって関わっていきたい。