著者
安藤 貴朗 上村 俊ー 浜名 克己 大塚 浩通 渡辺 大作
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.429-432, 2007-04-25

右子宮角が欠損した6歳(2産)のホルスタイン種牛の,卵巣動態,子宮および卵巣血涙を調べた.右卵巣に黄体が存在する発情周期では,黄体の退行とそれに伴う排卵はみられなかった.左卵巣に黄体が存在する周期では黄体の退行とそれに伴う排卵の遅延がみとめられた.左右どちらの卵巣に黄体が存在する発情周期でも,右子宮動脈の血流速度は左子宮動脈に比べ遅くなった.左右の卵巣動脈の血沈速度は右子宮角欠損の影響を受けず,黄体の存在により変化した.これらの結果から右子宮動脈は血流が弱いことが分かり,片側子宮角の欠損は発情周期,とくに黄体の退行に影響を与えることが示された.症感染豚もしくは非感染豚における糞便中有機酸の特徴を明らかにした.15の養豚農家で飼育されている育成豚から下痢又は軟便を採取した.合計106の糞便中の有機酸濃度を測定し,B.hyodysenteriaeおよびB.pilosicoliをPCRを用いて検出したところ,B.hyodysenteriaeは1農場の3検体から検出され,B.hyodysenteriaeは別の1農場の5検体から検出された.以上より,病原性スピロヘータの検出と,イソ酪酸およびイソ吉草酸濃度の低下との関連が示唆された.