著者
上條浩一 上條 昇 阪本 正治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.2168-2181, 2006-07-15
参考文献数
19
被引用文献数
1

カメラ,電話,テレビ放送等あらゆる分野でデジタル化が進んでいるが,新聞,書籍等,紙媒体は依然多く流通しており,今のところデジタル化の波に 完全にのみこまれてしまう兆候は見えない.しかし,これら紙媒体とデジタルの世界とを結びつける需要は増えており,それを実現する手段の例として,バーコードや電子透かしがある. しかし,バーコードの場合は場所をとり,見栄えが悪く,電子透かしは埋め込める情報量が少ない,という問題がある. 本論文では,これらの問題を解決しつつ紙媒体とデジタルの世界を結びつける電子スクラップシステムを紹介する. 本システムでは,不可視インクを用いて新聞等の記事に重畳して印刷された2次元バーコードを,そのインクに反応する特殊な発光装置を搭載した携帯電話等で撮影し,その撮影画像から画像処理を組み合わせた抽出アルゴリズムによって情報を抽出する. 我々は,この抽出アルゴリズムと特殊LEDを実際に搭載した携帯電話の試作機を作り,正しく動作することを確認した.Digitalization has been pervading in various areas, including camera, telephone,TV, and so on. On the other hand, paper media forms, such as newspapers and magazines, still have large market shares, and we see no sign they will be completely digitized. However, demands to connect between these analog and digital worlds are increasing. Barcodes and watermarking are examples of the technologies used to connect them. However, the problem is that a barcode occupies space and disrupts the layout of the article, and watermarking has limited capacity for embedding data. In this paper, we propose an "Electronic Scrap System", which connects the analog and digital world, solving these problems. In this system, we superimpose invisible barcodes on printed articles using invisible ink, then take pictures of them using a special camera equipped with a special LED (Light Emitting Diode) that is sensitive to the invisible ink, decode the encoded data after the image is processed, and extract the information. We made a prototype cell phone which includes the code extraction algorithm and the LED attached outside the device, and confirmed that we can correctly extract the information from the photo image taken by the cell phone.
著者
上條 浩一 利根川 聡子 豊川 和浩 森本 典繁 小出 昭夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.591, pp.55-60, 2000-01-27

前回、自動車保険等の損害クレーム処理において、損害の証拠写真にデジタルカメラによるデジタル画像が使われる場合、データハイディングによる画像改ざん・検出方式が、いわゆる"水増し請求"防止にシステムとって有効なことを報告した。今回は、データハイディング技術の続報、特に、デバイス認証が成功した後のイメージ認証において、圧縮画像の周波数成分の量子化ステップの性質を使った改竄の検出法とその実験結果、性能評価について報告する。
著者
上條浩一
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.122(2002-CSEC-019), pp.31-36, 2002-12-20

デジタルコンテンツの著作権保護, 不正コピーの防止,改竄の検出,抑止等の手段として, 電子透かしが注目されている. 高耐性型電子透かしの大きな基本技術項目として, 耐性と画質(音質)があるが, これらはtrade offの関係にある. 埋め込み後のコンテンツの画質,音質を一定に保ったまま, 耐性を向上させる方法が多数提案されているが, 殆どのものは埋め込み直後の検出強度が最大になるような埋め込み方式を提案している. しかし,埋め込み直後の状態では大抵の場合検出強度は十分強く, 耐性が問題になるのは, 圧縮,アナログ変換等ポストプロセスがかかった後の状態である.本論文では, 電子透かしの耐性を, ポストプロセスがかかった後の検出強度を考慮に入れて埋め込みを行なうことにより向上させる方法について議論し, 実験によりその有用性を確認する.