著者
上田 敏見
出版者
奈良学芸大学
雑誌
奈良学芸大学紀要. 人文・社会科学 (ISSN:04695569)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.205-216, 1963-02-28

PURPOSE There have been not a few studies of the relationship among various sociometric techniques, though the methods employed are fairly different. Here in Japan, we can hardly find an intensive as well as extensive research of this kind. This study is an attempt to explore: (1) the intercorrelations between pupils' sociometric status scores obtained in a rating scale , on one hand , and those obtained by use of several sociometric tests with choice-rejection levels of unlimited, five limit, four limit, three limit, two limit and one limit, on the other, and, (2) the intercorrelations among pupils' sociometric status scores obtained in those various sociometric tests.
著者
上田 敏見 谷口 勝英
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.75-80, 1980

本研究は, 社会的望ましさと誘引との関係を明らかにすること, 自己評価の高低がこの関係にどのようにかかわっているかを確かめることを目的として行われた.<BR>116人の被験者が, 課題遂行能力において, すぐれた人, 類似した人, 劣った人の3人の刺激人物を, 課題遂行のパートナーとして, 遊び友達として, リーダーとして, どの程度好ましいかを評定した.<BR>主な結果は, 次の通りであった.<BR>(1) 作業のパートナー, 遊び友達としては, すぐれた人より, 類似した人の方が好まれる.<BR>(2) リーダーとしては, すぐれた人が, 類似した人より好まれる.<BR>(3) 作業のパートナーでは, 自己評価の高い者の方が低い者より刺激人物をより好ましく感じる.<BR>このうち, (1), (2) については, 場面の特性と社会的望ましさの側面が合致して, 社会的望ましさが本人に直接的に利益を与える時のみに報酬となることを示すものとして解釈された. また, (3) については, 自己評価の高い者の劣等感のなさや, 自己の能力への肯定的是認によるものとして解釈された.