著者
上野 ふき 鈴木 泰博
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.23, pp.1-8, 2012-02-23

Collective Intelligence という概念は古くから論じられているが,その性質は未解明の部分が多い.本研究ではエージェントベースによる集団的知性の発生プロセスのモデル化の提案を行う.傾向として社会シミュレーションは自然現象のアナロジーを用いてモデル化する場合が多いが,本論文では "思想" も生命システムと同じ自然現象であると見なし,哲学者ライプニッツの思想を基にエージェントの構造と関係性を作成する.本モデルは,集団的知性の創発プロセスの中で,より正しい解に収束できる集団はどのような内部構造を持っているのかという事をシミュレートできるモデルの提案をする.Although the concept of Collective Intelligence is discussed for many years, thecharacter has many unsolved portions. In this research, modeling of the generationprocess of the collective intellect by an agent base is proposed. Although a socialsimulation is modeled in many cases, using the analogy of a natural phenomenon as ageneral trend, in this paper, it considers that "thought" is the same natural phenomenonas a life system, and it creates an agent's structure and relationship based on philosopherLeibniz's thought. The group who can converge this model on the righter solution in theemergence process of collective intellect proposes the model which can simulate whatkind of internal structure it has.
著者
上野 ふき 鈴木 泰博
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.206, 2011 (Released:2012-02-15)

本研究では,哲学者ライプニッツが提唱した哲学的概念 ”モナド” の構造に従ってエージェントを作成する.”モナド” は相互作用を通して内部構造が変化し,その構造の違いによって支配関係が生じ,入れ子構造の集団を形成する.このシステムには社会の創発と強い類似性が伺える.そのためモナド論を応用して,社会的ネットワークの自律生成メカニズムを考察する事は新しい知見をもたらす可能性がある.